今季開幕。男子100mで桐生に続く9秒台ラッシュは起きるのか
山縣は昨年と同じく、豪州でシーズンイン。 3月22日のサマー・オブ・アスレティックス GP(オープン)で10秒15(+1.7)をマークしている。冷たい雨のレースだったことを考えると、悪くないタイムだろう。織田記念が行われるエディオン・スタジアムは高速トラックとして知られている。昨年は欠場しているだけに、2年ぶりとなる地元レースで、颯爽と9秒台フィニッシュを決めたいところだ。 ケンブリッジは3月31日に米国のテキサス・リレーに出場。追い風参考記録の10秒22(+4.1)で走り、昨夏のロンドン世界選手権以来となる実戦レースをこなして、笑顔を取り戻した。昨年11月半ばに渡米して、アリゾナ州に拠点を置くプロチーム「ALTIS」で、4か月以上もトレーニングをこなしてきた。どんな進化を見せるのか。 すでに9秒台を手にした桐生は東洋大を卒業。春からは日本生命と所属契約を結び、プロアスリートとして活動している。冬季トレーニングは例年よりも少し遅らせて、12月から開始。シーズンインも例年より遅く、今季初戦は5月3日の静岡国際200mになる。同レースにはケンブリッジと、ロンドン世界選手権4×100mリレーの銅メダルメンバーで、この種目をメインにしている飯塚と藤光もエントリー。豪華メンバーが揃った。桐生としては、高校3年時にマークした自己ベスト(20秒41)を更新して、社会人デビューを飾りたい。 桐生の100mは5月12日のダイヤモンドリーグ上海大会を予定している。昨年の日本インカレは左ハムストリングに不安を抱えていたこともあり、「中盤から後半」を意識。「9秒台を狙って出たレースではなかった」というが、待望の“数字”を電光掲示板に灯した。今季はどんなレースプランで100mに挑むのか。 そして、シーズン序盤のクライマックスとなりそうなのが、5月20日のセイコーゴールデングランプリ大阪だ。「IAAFワールドチャレンジ」の第2戦となる大会で、各種目に世界ランキング50位以内の選手が4名以上参加することになっており、ハイレベルな戦いが期待できる。 男子100mには、昨夏のロンドン世界選手権男子100mで金メダルを獲得したジャスティン・ガトリン(アメリカ)の参戦が決定。日本勢は、桐生、山縣、多田、ケンブリッジと高校歴代3位タイの記録(10秒23)を持つ大学ルーキーの宮本大輔(東洋大)が出場を予定している。