スズキとトヨタ、BEVのOEM供給で協業 BEVユニットとプラットフォームはダイハツを含めた3社共同開発
スズキとトヨタ自動車は10月30日、両社の協業を発展させ、スズキが開発するSUVタイプのBEV(バッテリEV)を、トヨタにOEM供給することを決定したと発表した。 今回の協業は、両社のOEM供給における初めてのBEV。世界各国で順次販売を開始し、成長著しいSUVの市場においてもユーザーにBEVの選択肢を提供し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを一層進めていくとしている。 OEM供給されるスズキの新モデルはBEV専用設計モデルとなり、インドのスズキ・モーター・グジャラートにて2025年春から生産開始予定。また、採用されるBEVユニットとプラットフォームについては、スズキ、トヨタ、ダイハツ工業、3社の共同開発となる。 新モデルは、必要充分な航続距離と快適なキャビンを両立しながら、BEVらしいキビキビとしたシャープな走りを特徴とするSUVとし、悪路走破性のみならず、よりパワフルな走りを提供する4WDシステムも設定される。 スズキの鈴木俊宏社長は「今回、スズキ初のBEVをトヨタへグローバルにOEM供給いたします。こうして両社の協業関係がさらに深化したことを大変うれしく思います。これからもトヨタとは互いに切磋琢磨する競争者であり続けながら、マルチパスウェイでのカーボンニュートラル社会の実現など、社会課題の解決に向けて協業を深めてまいります」とコメント。 トヨタの佐藤恒治社長は「今回、共同開発したBEVユニットとプラットフォームを活用して、電動車分野で協業の新たな一歩を踏み出し、カーボンニュートラル社会に貢献する多様な選択肢を世界各地のお客さまにお届けしてまいります。今後とも、マルチパスウェイの考え方を軸に、お互いの強みを学び合い、競い合いながら、ともに汗を流してまいりたいと思います」とコメントしている。 スズキとトヨタは、2016年にスズキの鈴木修会長(現相談役)とトヨタの豊田章男社長(現会長)により業務提携の検討を開始して以来、両社でさまざまな協業を進めてきた。両社の協業分野は、生産領域やOEM相互供給、電動車の普及など多岐にわたり、協業車両の導入地域は、日本、インド、欧州、アフリカ、中東に拡大している。
Car Watch,編集部:椿山和雄