<私の恩人>石ちゃん「まいうー」の原点は忌野清志郎さん
“まいうー”のフレーズでおなじみの、お笑いコンビ「ホンジャマカ」の石塚英彦さん(51)。大きな体をフル活用した独自のグルメリポートで、お茶の間の人気者となりました。ホンワカ朗らかなキャラクターの根っことなっているのは、意外にも、歌手の故・忌野清志郎さんだと言います。 かつてブレークした「電波少年」ケイコ先生の現在とは 普通、グルメリポートといえば、もちろん、味を表現したり、事細かにお店の情報を入れたりすることが求められるとは思うんです。でも、味を表現するんだったら、彦摩呂とか阿藤快さんにはかなわない。 じゃ、僕がやるのは何かというと、グルメショーだと思っているんです。味そのものというより、料理人さんの情熱をしっかりと、そして楽しく伝える。僕の場合、究極的にいうならば、誉めることしか考えてないんです。 というのも、僕のロケ風景を思い出していただける方もいらっしゃると思うのですが、料理人の情熱を知るために、僕は食材が生まれる畑や、海に漁に行ったりするようにしているんです。そうすると、自ずと「こんなに情熱を込めてくれて、ありがとう」と感謝の言葉しか出てこない。「まいうー」って口にしてますけど、あれには「美味しい」という意味よりも「ありがとう」の思いを込めてるんです。 「普通はこういったロケをやります」と聞くと、「じゃ、普通じゃないことをやろう」となる。そして、ロケの中でも自分を貫き通す。本当に勝手ながらなんですが、これは自分の仕事の中で、清志郎さんの考えを表している部分なんです。 清志郎さんって、たくさんの名曲を残してらっしゃいますけど、実は、ミリオンヒットは1曲もなかった。売れるものを作るというよりも、既成概念にとらわれず自分を貫き通す。逆にいうと、ミリオンがないのは、それを徹底してこられた証でもあると思うんです。 そもそも、初めて清志郎さんの歌に触れたのは、高校生の時でした。『ステップ!』という曲だったんですけど、歌自体も、歌い方も、ファッションも、すべてに衝撃を受けまして、すぐにレコード店に走りました。この世界に入ってからも、大事なネタ見せの前には清志郎さんの曲を聞いて、自分を奮い立たせてきました。