最高月収127万円…「人力車」の引手に希望者殺到も 約8割が研修中にやめる厳しい現実
■一人前の引き手に…20歳女子大学生の挑戦
そんな夢と高収入も可能な人力車の世界を目指している一人が、3月に研修生となった大学生の島田萌加さん(20)です。 島田さん 「新しいことやりたいなと思った時に、ちょうど旅行で浅草ではないんですけど、人力車に乗って『これだ!』と思って」 研修を卒業するには、20回から100回以上まで差が出るといいます。 島田さんは22回目。この日、うまくいけば卒業検定に進める大事な研修です。 研修担当 「一歩目は?下下!発進は(姿勢)下」 力が必要なスタート。姿勢の取り方がポイントです。 研修担当 「そう!そこで持ちかえる」 何とか走らせていきますが、カーブでは大きく膨らんでしまいます。 研修担当 「(かじを)左にきりすぎや」 今度は車を意識し、左によりすぎてしまいます。苦戦したのが、左右の後ろを確認しながらまっすぐ走ることです。 研修担当 「見てから動く。今もう動いちゃってた。ラインは変えないでほしいのよ」 後ろを振り向く際に、人力車が左右にぶれてしまいます。 ちなみに引き手2年目の新井さんは、後ろを振り向っても、まったくぶれはありません。次第に焦りも出てくる島田さん。 島田さん 「あー!」 研修担当 「停止線もあったじゃん。道路の状況も守ってもらわないと困るべ」 普段は余裕を持って止まれるはずが、判断が遅れ、バランスを崩してしまいます。 そして大通りでは、スピードを上げようと力んでしまい、前に傾き、かじ棒が地面に激突。島田さんは、大事な研修でミスを連発してしまいました。 島田さん 「真っ白になっちゃう(人力車を)持つと。なんでダメなのかって分からない状況が結構あって」 「東京力車」研修担当 雲雀史隆さん(28) 「改善できないと、まあ卒検には無理だね、難しい。だって、また力でやっちゃって転んじゃいました。でんぐり返ししちゃいましたって、それがエンターテイナーですとはならないじゃん」 かつては人力車の引き手でもあった社長は、こう話します。 西尾社長 「俺も研修ね、24回目ぐらいまでかな。汗がドバドバ出てきて、こんなにきついの無理じゃないって、ずっと思ってたんだけど、ある日突然、こんな楽にできる瞬間があるんだって。多分、萌加もその瞬間って必ず訪れるから。あとは、やり続けるしかないと思う。絶対できる瞬間が来る」 島田さん 「はい」 一人前の引き手へ、その挑戦は続きます。
テレビ朝日