子どもを叩いてしまい自己嫌悪…イライラ育児から抜け出すにはどうすれはいい?
子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼす体罰や暴言。しかし、子どもの言動にイライラして、声を荒げてしまったり、つい手が出てしまったり……。そんな自分に自己嫌悪に陥ってしまう、という親御さんもいるのではないでしょうか。 イライラ育児から抜け出し、家庭を安心・安全の場にするための方法を、子育てアドバイザーの高祖常子さんに聞きました。 ※本稿は高祖 常子著『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
家庭を安心、安全の場にする
子育てのベースは、子どもの生理的欲求と安全欲求を満たすこと。 安心で安全な家庭環境があるからこそ、子どもは自分の素直な感情を表現することができます。 「イヤだ!」と言っても「イヤじゃないでしょ!」と否定されたり、悲しかったり思い通りにならなかったり、気持ちを切り替えようとしてうまくいかなくて泣いているときに「泣かない!」と制止されたり。 あるいは、困ったことを相談したときに、頭ごなしに「お前が悪いからだ!」という言葉を浴びせられては、次第に自分の気持ちを出せなくなりますし、困ったことも相談することができなくなります。 家庭を安心、安全の場にすること。もちろん、叱ってはいけないということではありません。 ただ、いつも親がイライラしていたり、たえず子どもをどなりつけていたり、たたいたりしていると、家庭が安心、安全の場ではなくなってしまいます。 叱ることは最低限にして、語りあい、相談しあい、家庭が応援しあえる場になるように、心がけましょう。
不安を感じたら自己判断をせず専門家に相談を
ほかの子と比べず、我が子自身の過去からの成長と比べる。 わかってはいても、とても難しいことです。 「ほかの子はできているのに、我が子はなぜできないのか」、この問いは、常に親が持つものです。それ自体は、いけないことではありません。親として、子どもの成長を思ってのことなのですから。 そして個人差や個性ではなく、ほかの子と大きく違うところは、障がいや病気が隠れていることもあります。 医師や保健師、保育士・幼稚園教諭、発達の専門家などでなければ、判断できないこともあります。違いに不安を感じたら、自己判断をせず、自分で抱え込まずに、相談しましょう。 「こんな小さなことを聞いたら、変に思われる?」「私の育て方が悪いから、できないの?」などと思わないことです。 相談窓口には、いろいろな場所があります。まずは身近な相談場所(保健所や役所、子育てひろば、保育園・幼稚園など)に行ってみてくださいね。そこから専門機関につないでくれることもあります。相談に行って、特に病気や障がいでなくても、子どもに対する接し方について、アドバイスしてもらうといいでしょう。 有名なマズローの欲求段階説で、一番大事なのは生理的欲求。寝る、食べる、飲む、トイレに行くなどがベースで、そこが守られないと人は生きていくことができません。その欲求が満たされると、次は安全を欲するようになります。 マズローの考え方は、人は低次元の欲求が満たされると、より高次元の欲求を持つようになると示しています。