冷却・温熱ベストの開発担当者に聞く 一着二役、初代3万着完売【経済トレンド】
作業服大手のワークマンが2023年5月に発売した冷却と温熱の両機能を備えた作業用ベストが好評だ。初代モデルは夏までに3万着が完売した。製品開発を担当したワークマンの土井健太郎さんは「電動ファン付きの服はパワーの競争になってしまい、違いが出せなくなっています。そこで新たなデバイスを探す中で冷蔵庫などに使われるペルチェ素子にたどり着きました」と明かす。(共同通信=出井隆裕記者) ペルチェ素子は電流の方向を変えると冷却と温熱が切り替わる特性がある。2024年4月に新モデル「ウィンドコア アイスヒーターペルチェベストプロ」を発売した。 「今シーズン向けの新モデルは冷却温度を初代よりも下げました。長時間温度が変わらないと人間は冷たさや温かさを感じにくくなるため一定間隔でオンとオフを繰り返す『ゆらぎ機能』も搭載しています」 初代モデルの発売時には大阪で営業の担当だったが、その後に製品開発部に異動し、新モデルの開発に携わった。「ペルチェデバイスの数は初代は背中に1カ所だけでしたが、新たに2カ所追加しています。どこの位置に付ければ、効果が高いかを探るため試行錯誤を繰り返しました」
販売価格は1万9800円(2024年5月時点)。「夏に電動ファンの服、冬に電熱ヒーターの服をそれぞれ買うのと比べると割安です。見た目がすっきりしているので女性にも人気があります」と話す土井さんは兵庫県出身、45歳。