金メダリスト御用達「カステラ」はゴルフ中にもいいの? バウムクーヘンなど“類似お菓子”よりスポーツ向きな理由
バターを使わないため、他の焼き菓子に比べ油分が少ない
陸上・やり投げの金メダリスト、北口榛花選手がパリオリンピック後はじめて凱旋帰国しました。あらためて彼女の存在感や強さが話題になっています。 【写真】カステラは? バレたら“永久追放”!? これがマスターズで“持ち込み厳禁”の品目です
特にテレビやネットでよく取り上げられていたのが“もぐもぐタイム”。パリでも競技中フィールドに腹ばいになり、おいしそうに頬張っていたカステラが、金メダリストの強さを支える要素の一つになっているようなのです。 アスリートが競技中にカステラを食べることには、どんなメリットがあるのでしょうか。また、そもそもスポーツをしている最中におやつを食べることは推奨されるのでしょうか。 さっそく、カステラの魅力について考えてみましょう。教えてくれたのは管理栄養士の土屋麻佑さんです。土屋さんは、プロを目指す学生アスリートからJリーガー、社会人アメフト選手などに幅広く栄養指導や調理指導を行うスポーツ栄養士でもあります。 「カステラの主な原料は、小麦粉、卵、砂糖です。製品によってはちみつや水あめを使うこともありますが、バターを使わないため、パウンドケーキやバウムクーヘンといった他の焼き菓子に比べると油分が少ない。それだけ消化しやすく体の負担が少ないので、スポーツ中の補食向きの食品です。私もアスリートへの栄養指導をする際によくカステラをオススメしています」 「スポーツの最中に食べるものは、小腹が空いたときに食べるおやつではなく、運動によって失われたエネルギーを補う補食です。アスリートが試合で最高のパフォーマンスをするにはエネルギーが欠かせません。ゴルファーもエネルギー源である糖が不足してくると体力や集中力が落ちてしまいますから、補食によってプレーに必要なエネルギーを補うことが大切なのです」 運動中の補食はさまざまな競技のアスリートが行い、エネルギーを維持する効果があることは分かっています。ゴルフのプレー中も補食としてカステラを摂ることによってパフォーマンスは向上するといいます。 では、ゴルフのラウンド時は、カステラをいつ食べると良いゴルフにつながるのでしょうか。 「スタート前ですね。補食は、ラウンドの途中でエネルギーが不足しないように摂るものだからです。例えば、朝練習場で50球打ち、1打ごとに1回素振りをしたとすると、行ったスイングは100回。ゴルファーは、スイングを1回行うたびにおよそ1kcalを消費します。1番ティーに立った時には約100kcalを消費してしまっているのです」 「たくさん練習をした人ほど消費カロリーが多くなるので、それに応じて失ったエネルギーをしっかり補ってからスタートしましょう。前半9ホールの最後までエネルギーがもてば、脳がしっかり働き、集中力も維持できます」 「またカステラの熱量は、製品にもよりますが、1切れ120~150kcal程度あります。コンビニのおにぎり1個と同じくらいですから、カロリーの摂り過ぎにならないようカステラの食べ過ぎに注意しないとなりません。基本はスタート前に1切れ食べてエネルギーを補充。前半のハーフが終わったらお昼ご飯をガッツリ食べ、後半9ホールのエネルギーを蓄えるのがベターです」 大事なのは朝のスタート前、と土屋さんは説明します。 とはいえ、スタート前は慌ただしくてカステラを食べる時間がない、緊張して食べ物がのどを通らないという人もいるかもしれません。その場合は、スタート後のちょっとした待ち時間やカートに乗っている間に食べてもいいでしょう。3番ホールか4番ホールまでに食べれば、9ホール後の昼食への影響が少ないそうです。