今秋のドラフトで1位候補に挙がる渡部

　今秋のドラフト指名を待つ渡部聖弥（大商大）にとって、広島・広陵高の同級生宗山塁（明大）は「刺激し合い、尊敬できる親友」であり続けている。1位候補の2人は、よく似た成長曲線を描いてきた。その理由を渡部は「目指すところが同じだったからでしょう」と推し量る。 【画像】大学日本代表にも名を連ねた明大の宗山 　「プロ入りは大前提。その中で大学日本代表になる」。同じ思いを抱いた2人は1年春からレギュラー。渡部は大学日本代表入りでは先を越されたが、「悔しさを糧に頑張った」。3年で大学日本代表入り。今はそろって広島の獲得候補リストの最上位に名前が載る。 　中学時代はともに広島県内の軟式のクラブチームで活躍した。高校は3年間、同じクラス。1年秋、同時にベンチ入りし「チームを引っ張らせる」と中井哲之監督は寮で同部屋にした。宗山主将、渡部副主将に成長し、期待に応えた。 　LINE（ライン）で今も情報交換。年末に広陵高である現役、OB合同練習で再会する。その場で渡部は先輩の福田周平（オリックス）に「難しい球を拾って安打を狙うより、見逃して甘い球を待つ方が打率は上がる」と助言され、実践。好環境で磨かれる境遇も共通する。 　6、7日の欧州代表戦のプロアマ混成日本代表に宗山が選ばれ、渡部は奮い立つ。「そこはゴールではない。プロでも定位置を奪い、新人王を狙い、トップチーム入りとまた同じ目標を追うことになる」。今後も互いに、最高の成長曲線をたどる気概でいる。