高校サッカー「幻のゴール」作陽ー水島工が再戦 J1広島の青山敏弘さん引退記念でOB戦、当時の主審も笛吹く
2002年の全国高校サッカー選手権岡山県予選決勝で、誤審による「幻のゴール」で明暗が分かれた作陽高(現作陽学園高)と水島工高のOB戦が22日、倉敷市の作陽学園高で行われた。J1広島で21年間プレーし、今季限りで現役を退いた元日本代表の青山敏弘さん(38)=倉敷市出身、作陽高出=の引退記念試合として実施され、青山さんら当時のメンバーが再戦に臨んだ。 青山さんのファンら500人以上が見守る中、真剣勝負を繰り広げ、青山さんを起点に攻撃を組み立てた作陽高OBが1―0で勝利。試合後は全員で記念撮影するなど交流を深めた。
22年前、2年生だった青山さんは1―1の延長戦でVゴールを決めたものの、誤審で認められなかった。チームはPK戦の末に敗れ全国切符を逃し、青山さんは悲劇のヒーローとして全国的に注目された。当時の主審で、この日も笛を吹いた青木隆さん(65)=倉敷市=は「あの時は立場上、謝れなかったが本当に申し訳ない気持ちだった。このような機会を設けてもらい感謝しかない」と話した。 青木さんとも握手を交わし、両OBに胴上げされた青山さん。「あの出来事があったからこそ、ここまでやることができた。母校での“現役ラストゲーム”はこれ以上ない幸せで、特別な一日になった」と感無量の表情を浮かべた。