都立同士の大荒れの一戦! 最後は府中工科が突き放してコールド勝ち【24年夏・西東京大会】
第106回全国高校野球選手権西東京大会1回戦◇都立府中工科 14-6 都立永山◇2024年7月7日◇府中市民球場 【トーナメント表】夏の西東京大会 7日までの結果
都立府中工科は春季都大会では2回戦敗退ながら、4強の明大中野に善戦した。対する都立永山は秋、春とも1次予選で敗退。都立校同士の対戦ながら、実績では府中工科が上回っているが、府中工科の高橋伸吾監督が、「これが夏の大会ですね。練習試合では見たこともないエラーもありました。夏のプレッシャーに負けていたのかな」と語るように、府中工科はミスが続いて、苦戦した。 1回表に府中工科が4番の石田 結叶捕手の二塁打で2人の走者が生還した時は、府中工科のペースかと思われた。しかし2回裏に2つの四球に失策が絡み2点を失い同点になると、永山は3回裏にも2つの失策に捕逸で1点を入れて逆転する。 それでも府中工科は4回表に1番・矢野 琳夢斗外野手の三塁打で同点に追いつき、5回表には一死満塁から敵失で勝ち越し、さらに四球による押し出しで2点をリードする。さらに6回表には上位下位、関係なく打ち安打6本を集め4点を入れてリードを広げる。 けれども永山はその裏、この試合3打数3安打と当たっている4番の矢口 友翔捕手が二塁打を放つなどして3点を入れて追い上げる。 府中工科はこの試合、背番号10の左腕・稲田 康士投手が先発し、背番号15の投げ方が変則的な石井 輝覇投手とつないだが、6回裏からは一塁手として出場していた背番号1の久保田 翔真投手をマウンドに送った。久保田は4月に肩を痛めている。高橋監督としてはできれば投げさせたくなかったが、久保田は「投げます」と言ってマウンドに上がった。久保田が登板したことで、試合が締まり、府中工科はそれ以上の失点は許さない。 府中工科は7回表に5番・金沢 敬太内野手の二塁打で1点を追加すると、8回表は「自分でもびっくりしました」という3番・久保田の三塁打で2点を追加。久保田も4番・石田の左犠飛で生還。13―6と7点差になり8回コールドが成立した。 久保田としては「暑かったことと、緊張感がありました」と序盤苦戦の理由を語る。それでも勝てたことは収穫であり、「神宮球場で試合をしたいです」と8強以上を目標にする。ただし高橋監督としては、「久保田1人では夏は厳しい」と言い、この日投げた稲田、石井をはじめとして選手全体の奮起に期待をかけた。