大宮東、プロ注左腕が抜けても期待の1番打者が5打点の活躍で県大会出場!【24年秋・埼玉地区予選】
◇埼玉地区代表決定戦◇大宮東9-1浦和北(7回コールド)◇県営大宮球場◇6日 県営大宮球場・第3試合は、大宮東 vs 浦和北との一戦。大宮東はプロ注目・冨士大和が去り、1からチームを作っている段階。一方の浦和北は今夏のスタメンが5人残っている。 【動画】注目2年生の中学時代!佐藤龍月、森陽樹、福田拓翔など2025年ドラフト候補も! 先発は、大宮東は左腕・山室颯太(2年)、一方の浦和北が技巧派右腕・瀬戸翔大(2年)と両エースが登板し試合が始まる。 山室はゆったりとしたテンポから投球するオーソドックスな左腕、一方の瀬戸は今夏も登板経験がある技巧派右腕だ。 大宮東は初回、浦和北・瀬戸の立ち上がりを攻め立て、先頭の大泉太一(2年)がセンター前ヒットを放ち出塁すると、すぐさま二盗を決める。続く温泉川大輔(2年)も四球を選び無死一、二塁とする。3番・嶋田蓮(2年)も四球を選び無死満塁とすると、続く野内俊佑(2年)の内野ゴロがタイムリーエラーを誘いまず1点、なお無死満塁という状況で浦和北ベンチは早くもエース瀬戸を諦め、1年生左腕・奈良青空へスイッチする。 浦和北・奈良は期待に応え、5番・関野大助(2年)をサードゴロ併殺に打ち取ると、続く半田龍之介(2年)からも三振を奪い追加点を許さず初回を1失点で凌ぐ。 対する浦和北も大宮東・山室の立ち上がりを攻め、浦和北・先頭の藤澤昇大(2年)がレフト前ヒットを放ち出塁するが、続く丸山幸記(2年)は併殺に倒れる。それでも二死から3番・荒井一喜(2年)がレフト前ヒットを放ち再度チャンスメイクするが後続が倒れ無得点に終わる。 大宮東は2回表にも一死から8番・丹治文也(2年)が四球を選び出塁すると、続く渡辺啓介(2年)の所で大宮東ベンチはエンドランを仕掛ける。渡辺は期待に応えライト前ヒットを放ち一死一、三塁とすると、渡辺はすぐさま2盗を決め一死二、三塁とチャンスを広げる。ここで1番・大泉がセンター前へ2点タイムリーを放ち3対0とする。 勢いに乗る大宮東は4回表にも3回からマウンドに上がった浦和北の3番手・政瑛士(2年)に対し、この回先頭の半田が内野ゴロエラーで出塁すると、続く山室も四球を選び無死一、二塁とする。浦和北ベンチはここで4番手・木村翔太(2年)へスイッチするが、大宮東は木村の代わり端を攻め、8番・丹治がきっちりと送り一死二、三塁とすると、二死後、1番・大泉がライト前へ2点タイムリーを放つ。さらに相手のタイムリーエラーもあり、この回3点を奪い6点差とし試合の流れを完全に掴む。 攻撃の手を緩めない大宮東は、5回表もこの回から再登板した瀬戸に対し、一死から7番・山室の内野安打を足がかりとし、相手のタイムリーエラーと1番・大泉のこの日5打点目となるタイムリーを放つと温泉川もライト線へタイムリー二塁打を放つなど、さらに3点を追加し9対0とコールドペースへ持ち込む。 コールドは避けたい浦和北は7回裏、この回からマウンドに上がった大宮東の3番手・渡辺に対し、二死から吉澤玄羽(2年)が内野ゴロエラーで出塁すると、続く木部壮流(1年)の所でエンドランが決まり二死一、三塁とする。ここで7番・瀬戸がセンター前タイムリーを放ち、1点を返すが続く奈良の所でダブルスチールが一走と二走の意図が合わず万事休す。 投げては大宮東投手陣が3投手の継投で浦和北打線を1点に抑える。 結局、大宮東が浦和北を7回コールドで下し県大会出場を決めた。 まずは浦和北だが、大会直前まで体調を崩していたエース瀬戸が誤算。小刻みな継投で対抗するも捉えられた。春へ向けまずはエースを固めたい所か。単純に直球だけを見ると奈良の直球が一番よく見えるが、彼はまだ1年生。上級生の奮起にも期待したい。また、この日は4失策と守備も乱れた。だが、基本的に浅川監督は意に介さない。 「継投は全然イメージ通りではない。最初の2人で二回り5回くらいまで投げてもらって、そこから小刻みに行く予定だった。二遊間で4つのエラーはさすがに多い。ただ、そこで下を向くのではなく、エラーした分取り返そう、もっと打ってやろうと思って欲しい。春までに守備の整備より打撃と投手力を伸ばしたい。守備は限界があると思っている。うまい子は入った時からうまいので。打撃の方が打てなかった子が打てるようになっていて。うちにいる高校から野球を始めた子も打撃の方が伸びるのが早い」(浅川監督) という独特な浅川監督の方針のもと、限られた時間を有効にあくまで守備は自主練で、メインは打撃と投手力に特化したいそうだ。春までにその2つがどこまで伸びているか期待したい。 一方の大宮東は、「今年のチームは総力で、どうやって一個一個の試合を取って行くか。投手陣は公式戦の経験値がないので少しずつ地に足つけながら。打線を計算するのではなく、野手とバッテリーの連動、連携を大事にして失点を防ぎながらいかに攻撃のリズムを作るかが鍵。秋はどの高校も未完成なので隙を作らずに相手を観察して戦えるか集中力の勝負」(飯野監督)と、新たなチームを作っている最中。旧チームの絶対エース冨士大和が抜けただけに、その分を投打にみんなでカバーしなければならない。打線は新人戦も含め二桁安打が続くなど好調を維持している。投手陣も山室のテンポは多少気になるが、打たれ強い。2番手の右腕・市岡も良い直球を持っている。この2人が軸となるであろう。新生・大宮東がまずは良いスタートを切った。