崩れ落ちる張本智和（中央）＝撮影・吉澤敬太

　「パリ五輪・卓球男子団体・準決勝、日本２－３スウェーデン」（７日、パリ南アリーナ） 【写真】まるで別人　足に異変が生じた張本　肩を抱かれても深刻さが尋常ではない 　世界ランキング４位の日本は同７位のスウェーデンと対戦。３時間半を超えるフルセットの死闘の末、２－３で大逆転負けを喫した。 　悪夢の敗戦だった。篠塚大登と戸上隼輔のダブルス、張本智和のシングルスで２勝したが、ここからまさかの展開。第３試合を戸上、第４試合を篠塚で落とすと、第５試合もエース張本智和が２ゲーム先取から逆転された。 　シングルスを含めて激闘を続けてきた張本は足に異変が生じたのか、第４、第５ゲームのタイムアウト中にはトレーナーから足のマッサージを受ける場面も。満身創痍の戦いの中で序盤は６－３とリードしたが、スウェーデン・シェルベリの粘りに屈した。 　９－１０から最後は張本のスマッシュがヒットせず、空振りの格好で試合終了。張本は呆然と台に手をつき、スウェーデンはお祭り騒ぎとなった。敗戦の責任を背負った張本は仲間、客席に「ごめん」と謝罪すると、慰める監督に抱き締められた後もショックは隠せず、コート上に突っ伏して泣き崩れた。 　田勢監督は張本の足の状態について「危ないかなというか、違和感という感じ。つってはない」とし、左太ももの違和感だったと説明した。崩れ落ちた張本には「何も恥ずかしいことはない」と声をかけたという。 　張本は「死んで楽になるなら死にたい。こんな思いするくらいなら…。この現実を受け止めなくていい方法が死ぬ以外にあるなら、それがいいですけど…」と極限の心理状態を明かし、足の状態については「つりそうだったが、最後までつらずクリアできたので、コンディションはできる最善のコンディションではあった」と言い訳しなかった。