１回、森下はオースティンに先制適時打を打たれる（撮影・佐藤厚）

　「ＤｅＮＡ５－１広島」（３日、横浜スタジアム） 　広島が終始リードを許す苦しい展開で手痛い黒星を喫した。先発・森下暢仁投手（２７）が好相性だったＤｅＮＡに今季自己最短となる４回７安打５失点でＫＯされて６敗目。打線も相手先発・東の前に苦戦を強いられ、末包の適時打による１得点に終わった。チームの連勝は２で止まったが、２位・巨人も敗れたため首位の座はキープした。 【写真】アゴに手をあてて思案顔　目の前でまさかの森下撃沈 　敗戦を見届けた森下は１点を凝視するようにグラウンドを見つめた。勝負どころのマウンドを今季自己最短で降りるという悔やんでも悔やみきれない結果。「普通通りに投げていた中でゲームを作れなかった。序盤でゲームを壊してしまった」と無念の思いを押し殺すように振り返った。 　序盤からストライクゾーン内での制球が不安定だった。初回は２死から佐野に内角攻めを敢行して追い込むも、最後は甘く浮いたチェンジアップを捉えられ、右翼への二塁打。次打者・オースティンに三遊間を抜ける適時打を浴びて、あっさりと先制点を与えた。「変化球の高さだったりが悪かったのかなと思う」と右腕。「初回２アウトから失点してしまったのが、もったいないというか…」と悔やんだ。 　悪い流れは断ち切れず、二回には牧にソロアーチを被弾。四回には無死満塁から山本を本塁併殺に仕留めて２死二、三塁までこぎつけるも、林を敬遠しての満塁から投手・東に左前への適時打を浴びた。次打者・梶原にも右前２点適時打を許し、４回７安打５失点で６敗目を喫した。 　相手先発・東とは７月１７日以来の投げ合い。その試合は７回無失点で粘り、シャイナーの決勝３ランを呼び込んだ。この日も１点勝負と理解していた中での序盤からの失点に、「初回から０でいかないと、こういう展開になるのはわかっていた。先に点を取られてしまって、流れを悪くしてしまった」。今季２戦２勝で１４回を投げて無失点だったＤｅＮＡに対して苦杯をなめた。 　新井監督は森下について「まあまあ、そういう日もあると思います。自分で修正点も分かっていると思うので、しっかり修正して次の登板に期待しています」と話した。打線も悪い流れを払拭できるほどの反発力はなく、得点は八回の末包の適時打による１点のみ。優勝争いが熾烈（しれつ）な終盤戦での１敗の重みは大きい。 　ただ、幸いと言うべきか、２位・巨人も敗れたため、首位はキープ。森下は「やってしまったことは仕方ない。残り試合は自分も少ないので、どんな形であれチームが勝てる投球ができたらなと思う」と次戦へ視線を向けた。この１敗に意味を持たせるためには、切り替えて勝ちを積み重ねていくしかない。