リーゼント、夜明け前の散歩…DeNA・三浦監督 実を結んだ確固たる信念と懐の深さ
「SMBC日本シリーズ2024、DeNA11-2ソフトバンク」(3日、横浜スタジアム) 【写真】帽子とって感謝の三浦監督 気になって仕方ない日本一のリーゼントの今 愛し続けた横浜で、悲願成就の夜を迎えた。「SMBC日本シリーズ2024」は3日、横浜スタジアムで第6戦を行い、DeNAが11-2でソフトバンクに勝利。1998年以来26年ぶり3度目の日本一に輝き、三浦大輔監督(50)は大歓声に包まれながら胴上げで5度宙を舞い、史上最大の下克上を完結させた。 ◇ ◇ 三浦監督の1日の始まりはとにかく早い。2月の沖縄キャンプ。早朝5時30分から散歩するのが日課だ。これは現役時代から続くルーティン。まだ日が昇る前、漆黒の暗闇が広がる宜野湾の海沿いを1時間弱歩く。記者も前夜の飲酒を最小限に控え、毎朝同行した。 シーズン中も、ナイター開催日であっても必ず午前9時には球場入りしている。当然チームでは一番乗り。1時間ほどランニングやトレーニングをこなし、監督モードにスイッチを入れる。誰よりも1日の早いスタートを切ることで心の余裕を持てる。これが勝負師・三浦の不変のライフスタイルだ。 貫き続けるといえば、自らのトレードマークとなったリーゼントがある。32年前、奈良からやってきたドラフト6位の18歳右腕は、中学生の頃から敬愛していたミュージシャン・矢沢永吉ばりの髪形に変身して練習に現れた。高校時代の丸刈りからの反動もあったが、「投手は何十人もいる。目立たないと使ってもらえないから」とベースにあったのは強烈な反骨心だ。「結果を出せば何も言われなくなる」と自らにプレッシャーをかけ、有言実行で唯一無二の道を築いた。 決して曲げない意志の強さを貫く一方で、柔軟な思考も併せ持つ。他業種の第一線で活躍するプロフェッショナルたちとも積極的に交流。生き方の引き出しを増やすことは、監督業に役立てている。「勉強になりますし、よく似たことがあったら、これは野球に生きるなとか」。競馬の調教師をはじめ格闘家、男性アイドルまで、その交友関係は幅広い。 確固たる信念と、懐の広さ。その流儀が今、実を結んだ。(デイリースポーツDeNA担当・福岡香奈)