「コードネームY」松本サリン事件からオウム真理教に辿り着いた長野県警の極秘捜査…未知なる化学物質サリンと向き合った元捜査員の証言、70トンのサリンで「日本が終わる」
上原さん: 「メチホスホン酸ジメチルという物質、試薬瓶のようなもので売られていたが、中に何本も買っている人がいた」 全国の薬品会社や大学の研究所などを回り、薬品の販路や使用状況をたどる地道な捜査。 調べた関係先は4200か所に上りました。 捜査を続けると、不審な人物と会社が浮かび上がります。 上原さん: 「大量に買っているにもかかわらず、何を作っているのかわからない」 「大量に一時的に買うんですけど、取引がありませんよと」 そして、たどり着いたのが、東京の世田谷にあるオウム真理教の道場でした。 事件の発生から3週間で、掴んだオウム真理教の影。 上原さん: 「外部に知れたら宗教弾圧とか、問題が出てきて捜査の邪魔になるということで、暗号を使うようになった」 「山下と呼ぶようになった」 「前はYと読んでいましたけど」 「(世田谷道場)最寄りの駅が山下駅なんですよ」 山下駅の頭文字を取ってコードネームは「Y」。 教団を探る極秘の捜査が進められ、オウム真理教が4つのダミー会社を通じて、薬品を大量に購入していたことを突き止めました。 県警はその年の10月、警察庁の依頼を受け、異臭騒ぎが起きた山梨県の旧上九一色村で土壌を採取します。 オウム真理教のアジトがあった場所で、土壌からサリンの残留物が検出されたのです。 しかし、強制捜査は行えませんでした。 上原さん: 「薬品に禁制品がなかった」 「直接的に取り締まれるものではなかった」 翌年2月には、実態解明のため、教団のダミー会社への張り込み捜査を開始します。 しかしその矢先ー。 「近づかないで!」 1995年3月20日、東京で地下鉄サリン事件が発生。 上原さん: 「あまりにも被害が大きいし、被害者がいっぱいいるので、地下鉄(サリン事件)を防げなかったのは非常に残念だった」 オウム真理教にたどり着いていた長野県警は、東京の警視庁と合同で捜査し、実行犯の特定に繋げました。 上原さんは容疑者の取り調べも担当し、オウム真理教は、70トンのサリンを作ろうとしていたことを知りました。
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