乙武洋匡、選挙をともにした小池百合子の意外な印象を語る「意外に優しくて面倒見のいい人だった」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、乙武洋匡さんと三浦瑠麗さん。ここでは、乙武さんが立候補した衆議院東京15区補欠選挙(衆院補選)で行動をともにした小池百合子氏の印象について語りました。
◆選挙活動を通じて感じた小池百合子の印象とは?
三浦:小池さんの印象って、どう? 乙武:本当に率直に感じたことを言うと、意外に優しくて面倒見のいい人だった。(選挙活動中は)選挙カーでぐるぐる回っていたんだけど、僕のマネージャーが乗るスペースがないから、身の回りの世話をする人が同乗しない状態で、1日3時間ぐらい小池さんと一緒に乗っていたの。 それで3時間も乗っていたら、喉も渇くし小腹も減るじゃない? そうしたら、小池さんが「はい、水分補給」って水筒を開けて口元まで運んでくれたり、「栄養補給して!」とか言って、アーモンドチョコレートを口に突っ込んでくれたり、いろいろ世話を焼いてくれて。 選挙が終わっても「少しは寝られるようになりましたか?」「お体は回復してきましたか?」って、毎日電話がかかってきて気を遣ってくれて。だから“こういう感じの人なんだな~”っていうのは、ちょっと意外だったかな。 三浦:そう? キャラクターとして、行き届く人だっていうのは、私はもともとの印象としてあるけどね。彼女の持っている思想信条の、何が響くのかね? 乙武:僕自身、小池都政の1期目って結構否定的だったの。 三浦:どういうところで? 乙武:豊洲の件とかも、科学的なことと感情をごっちゃにして、うまく都民の気持ちを操っているなぁと思って。「安心・安全」と彼女は言っていたんだけど、安全は科学的な話だし、安心は感情的な話なので、まずは安全が証明されるかどうかが大事なんじゃないかなと思っていたんだけど、ここ2年ぐらいは“あれ? なんかちょっと変わってきたぞ”って思っていたの。 三浦:うん。 乙武:パートナーシップ条例を東京都で採用したりとか、マイノリティにとって包摂的な政策っていうのが、わりと増えてきたなと思っていたんだよね。 * 乙武:何で(小池さんと)一緒にやれるって思ったかというと、俺がこの数十年のなかで“すごく芯があるな”と、ある意味リスペクトしている政治家が野中広務(のなか・ひろむ)なのね。 彼は一般的なイメージでは常に自民党の黒幕で、悪辣な手を使ってでも相手を引きずり下ろして、政治を裏で操っているあくどい人間みたいな描かれ方をされていて、実際にそういう側面もあったと思うんだけど。 じゃあ彼はそうして手にした権力で何をやりたかったのかっていうと、彼自身が被差別部落の出身で、その境遇によって国鉄で出世を阻まれたりもしたことに対する強烈な思いがあったからこそ、政治的な権力を手にして最終的には“弱者を守るんだ”っていうのが一番やりたかったことなんだと理解しているのね。 三浦:うん。 乙武:それでいうと小池百合子という政治家は、手法は違えど、ある意味トランプに先駆けてポピュリズム的手法で人々の支持を得たわけで、“やりたいことは何なのか”“ただ地位だけがほしい人なのか”っていうのをイチ都民として外から眺めていたんだよね。 それで今回、お声をかけていただく前に近しい関係を持ったのは、都民ファーストの都議の人たちだったの。その僕よりも(小池さんに)全然近しい方たちの話を聞いたうえで、この2年ぐらいの政策を振り返ると“なるほどね”と思うことは結構多かったのね。 だから、都合よく解釈しすぎかもしれないけど、野中広務が“自分のやりたいことを自分の手法で実現していくんだ”という政治家だったんだとするならば、小池さんはある意味ポピュリズム的な手法を使ってでも、そういうこともやろうとしてくれているのなら“一緒にやれるのかな”っていうのは、わりと思ったかな。 三浦:なるほどね。まあ、ただ、その線で行くと野中さんが評価してかわいがったのは、むしろ立憲民主党の福山哲郎さんだったんだけどね。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)