「夢の肥満治療薬」に潜む危険性…急性膵炎・小腸切除、韓国でも警鐘
【11月21日 KOREA WAVE】肥満治療薬として注目されるデンマーク製薬会社ノボノルディスクのGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が、急性膵炎や小腸切除など深刻な副作用を引き起こす事例が報告され、韓国の医療関係者から注意が呼びかけられている。 GLP-1RAは食物の胃から小腸への移動を遅らせることで満腹感を高め、食事量を減らし、体重を減少させる薬剤だ。商品名「ウゴービ(WEGOVY)」や「オゼンピック(OZEMPIC)」として知られ、多くの著名人が使用している。しかし、米麻酔科学会を含む複数の学会から、副作用に関する警告が出されている。同学会は、服用中の患者が手術前に絶食しても胃内に未消化の食物が残り、麻酔中に逆流や誤嚥のリスクがあると指摘。全身麻酔を伴う手術の7日前には服用を中止するべきと提言している。 具体的な報告例として、70代米国人男性がセマグルチド(GLP-1RAの一種)の投与量を増やした直後に急性膵炎を発症し死亡したケースが国際医学誌で報告されている。また、日本では30代女性が小腸閉塞を発症し、手術で小腸の一部を切除する事態となったほか、妊娠中であることに気づかず服用した女性が重度の吐き気や腹痛を訴え入院した例もある。精神面への影響として、54歳女性が抑うつ症状の悪化を報告し、薬剤変更後に症状が改善した事例もある。 GLP-1RAの公式サイトでも、低血糖や視覚障害、アレルギー反応などのリスクについて警告が掲載されている。これを受け、韓国でも医療界や政府が警鐘を鳴らしている。韓国糖尿病学会は、肥満治療は単なる美容目的ではなく、代謝疾患や合併症の治療を目標とすべきであり、専門医の診断と監督下での使用を推奨している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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