月曜にシャツと下着を5セット持って金曜に退社の日々…激務の一流ビジネスマンが「自分の時間」を作った方法
■義務感で参加していた「飲み会の二次会」をやめる もうひとつは、「どこまで付き合いに乗るかを線引きする」ということです。 僕自身は「飲みに行っても一次会で帰る」と決めていますが、このルールを自分のなかで決める前は、誘われれば何次会まででも参加していました。最後まで残るのがマナーであり、美徳だとすら思っていました。 20代はそれもありだったかもしれません。どんなときでも必ず付き合うことで得られる信頼、人脈があることも否定はしません。ですが、飲みに行くたびに壊れたレコードのように、結局いつものメンバーでいつも同じ話をするだけのルーティン飲みは、それが一時的に楽しかった、という感情以外に有意義だったと感じられなければ時間とお金と体力を無駄に使っているだけのイベントです。 そこで、一次会で帰るようにしたところ、そのことで責められることもなければ、失うものも何ひとつありませんでした。 そもそも僕の場合、どんなに遅くまで飲んでいたとしても朝は3時45分に起床すると決めているので、一次会だけで帰宅するほうが翌朝も体が楽、ということもあります。 とにかく今まで二次会以降の付き合いに費やしてきた時間をすべて自分のために使えることになったのは、大きな収穫でした。「時間がない」をやめるなら、何かひとつ時間を捻出するための決めごとをつくるのもいいかもしれません。 ---------- 田中 渓(たなか・けい) 元ゴールドマン・サックス マネージング・ディレクター 1982年、横浜出身。上智大学理工学部物理学科卒業。在学中に学科首席として表彰を受ける。同大学院に進学し、米国ロサンゼルスで、選抜された24人を対象に毎年開催されるビジネスセミナー「CVS Leadership Institute」に参加。個人優勝、チーム優勝を果たす。大学院中退後、53回の面接を経て、ゴールドマン・サックス証券株式会社に内定し、2007年に新卒として入社。瞬く間に金融危機(リーマンショック)が訪れ、ボーナスゼロ、大幅な減給に加え、在籍部署の9割の人員が削減される壮絶な経験をし、どん底に陥る。NHKドラマ「ハゲタカ」の舞台にもなった刺激的な投資部門で、星野リゾートとのジョイントベンチャーによる温泉旅館の再生や、企業価値5000億円を超える会社買収、1棟1000億円を超えるオフィスビル投資や、全国の大型国内リゾートホテルの外資系へのリブランド、企業再生やバリューアップなどのプロジェクトを中心に、上場・未上場株式、債券、不良債権、不動産、インフラストラクチャーなどへのあらゆる投資を行う。退社後は、少数精鋭の投資会社にて勤務。同社の不動産投資の責任者を務める。 ----------
元ゴールドマン・サックス社員 田中 渓