米マクドナルド、AIによる音声受注システムのテストを終了…誤動作の動画が話題に(海外)
マクドナルドが自動注文受付システムを100店舗以上から撤去する。 同社は2021年、IBMと提携してAIソフトウェアを開発、店舗に展開した。 【全画像をみる】米マクドナルド、AIによる音声受注システムのテストを終了…誤動作の動画が話題に ドライブスルーでのこのテクノロジーの欠陥を示す動画が2023年に話題になっていた。 生成AIの出現は、さまざまな業界で仕事に打撃を与えると考えられていた。飲食業界も例外ではない。 だが、まだその段階にはないことが分かった。 マクドナルド(McDonald's)は6月13日、フランチャイズ・オーナーらに対し、AIを使った注文受付システムを100カ所以上の店舗のドライブスルーから撤去し、IBMとの提携によるテストを終了すると伝えた。 マクドナルドの広報担当者はBusiness Insiderに対し、この決定について認め、IBMとのグロバール・パートナーシップによって2021年に導入されたシステムだったと述べた。 業務提携の下、IBMはMcD Tech Labsを買収した。McD Tech Labsはマクドナルドが2019年に、音声AI企業のアプレンテ(Apprente)を買収して設立したものだった。 両社はテスト期間中に、この技術を開発し、「自動音声注文システムが、クルーの業務を簡素化し、顧客の体験をより早く、より良いものにできるかどうか」を検証した。 マクドナルドのクリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)CEOは2021年6月、CNBCに対し、音声認識技術の精度は約85%という確率だが、5回に1回は人間のスタッフがサポートしなければならないと語っている。 だが、その不具合はすぐにネット上に広まった。 2023年、ドライブスルーを利用した顧客がこの自動受注システムを使うのに苦戦している動画がTikTokで話題になった。中にはこのシステムのせいで注文ができず、イライラしたという顧客もいた。 ある動画では、女性が水とカップのバニラ・アイスクリームを1つ注文しようとしていた。AIシステムは、注文の品を正しく揃えたが、ケチャップの小袋4つとバターのパック3つを誤って追加した。 別のTikTok動画では、Lサイズのスウィート・アイスティーを1つ注文したところ、AIが9杯も注文を入れたとユーザーは述べている。 マクドナルドとIBMの自動受注システムに関する提携は終了しているが、マクドナルドによると、このテクノロジーを生かしてワークフローを改善する方法を模索していくという。 「前へ進むにつれ、IBMとの協力によるドライブスルー用の音声注文ソリューションが当社のレストランの未来の一部となるという確信を得た」とマクドナルドはBusiness Insiderに声明で述べた。 「レストラン向けテクノロジーの進歩には大きなチャンスを感じており、長期的で拡張性のあるソリューションへの評価を続けたい。未来の音声注文ソリューションについては、十分な情報に基づいて今年中に意志決定を下すことができるようにしたい」
Lauren Edmonds