モノ言う株主・丸木氏が語る「日本企業の経営問題」 見過ごされる「ガバナンスウォッシュ」とは
顧客企業は、契約する損保会社を選定する際、保険料などの条件よりも、その損保会社が自社の政策保有株をどれだけ多く持っているか、もしくは自社の営業にどれだけ協力してくれたか等で決める傾向があったとのこと。 そこで損保各社としては、正規の営業努力で競争するのではなく、条件を調整して顧客企業を割り振っていたらしい。 顧客企業にとっては、政策保有株を損保会社に持ってもらうことで、取引上有利どころか割高な契約を結ばされていた可能性もあるわけです。
この件に関し、金融庁は2023年12月に大手損保会社に対して業務改善命令を出し、そのなかで政策保有株の削減計画と見直し案の報告を求めることとなりました。当然の措置だと思います。その後2024年2月には、各社とも政策保有株を段階的にゼロにする方針と報じられました。
丸木 強 :株式会社ストラテジックキャピタル代表取締役