おとり物件とは?「立地がいいのに家賃も安い」につられて思わず不動産屋に行ってしまうと…。減少しつつも未だにあるため要注意
プロと一般人では持っている情報量の差が圧倒的な不動産情報。国家資格である不動産鑑定士の資格を持つ泰道征憲さんと、同じく資格保有者でYouTuberとしても活躍する中瀬桃太郎さんが書いた、不動産リテラシーが分かる『悪魔の不動産鑑定』。身近な不動産問題がいかに「怪しく」、一方でいかに「魅力的」なのか…。今回は本書より、「おとり物件がウザすぎる!」についてご紹介します。 【結論】おとり物件を使う不動産業者に注意 * * * * * * * ◆おとり物件がウザすぎる! おとり物件とは、既に契約されているにもかかわらず、住宅情報サイトなどに広告として出している物件のことをいいます。おとり物件は、不動産業者が集客目的で利用する悪質な手法です。 具体的には次のようになってます。 客 (この物件、立地がいいのに家賃も安いな。問い合わせてみよう) 不動産屋 こちらの物件は内覧可能です! ※月※日に弊社にお越しください。 ―内見当日― 不動産屋 誠に残念ですが、お問い合わせいただいた物件は今朝申込みが入ってしまいました。せっかくですので、本日は同じような別の物件を案内しますね! 客 そうですか。仕方ないので別物件の案内お願いします。 不動産屋 承知しました!(しめしめ。今日はうちに紹介料が多く入る物件を案内して、そこに入居してもらおう……) 基本的にはこういった流れです。
◆好条件すぎる物件はおとり物件の可能性が ただし、おとり物件だったかどうかを断定するのは難しいのが実情です。人気の物件だと本当に直近で契約申込が入ってるパターンもあります。 ですので、周辺よりやたら安い物件はおとり物件の可能性があるので、内見時間を何回も取れない方は、なるべくそのようないかにも怪しい物件には問い合わせないようにしましょう。 なお、住宅情報サイトを運営している会社もそういった悪徳業者を排除するために、おとり物件を掲載していることが判明次第、掲載停止・利用不可というペナルティ制度を設けているので、怪しい物件情報はだいぶ減っています。 結論:おとり物件を使う不動産業者に注意しよう。 要点(1) 周辺相場よりやたら安い物件はおとり物件の可能性あり。 要点(2) ただし、おとり物件だったかどうかを見極めるのは困難。 要点(3) おとり物件は減っているが未だにある。 ※本稿は、『悪魔の不動産鑑定』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
中瀬桃太郎,泰道征憲