見てよかった!韓国ドラマのお家芸「家族ドラマ」感動の名作をセレクト
日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな切り口でご紹介! 今回は、韓国ドラマのお得意ジャンル“家族ドラマ”を厳選セレクト。 韓国ドラマのお家芸「家族ドラマ」3選(画像)
縁ある者たちの“つながり”の尊さ 『家門の栄光』
伝統と家門を守り続ける宗家の孫たち3兄弟を中心に、波乱の愛と家族のあるべき姿を、時にコミカルに、時にシリアスに見せていく感動の名作です。宗家が舞台になっているだけに、伝統的な宗家の人たちの丁寧な暮らしぶりや考え方、冠婚葬祭の行事をきちんとみせてくれるのがこのドラマの魅力。加えて、全54話という長丁場ですが、宗家の孫娘と成金息子の波乱含みの愛の物語に萌えるシーンが満載で一気に見てしまいます。
古風でたおやかな宗家の孫娘と成金で冷血な企業ハンター、イ・ガンソクが家系図を巡って対立し、ある事情から偽装恋愛をすることになり、本当の恋に落ちていく過程は、緊張感と切なさと萌え感が入り混じり、もう目が離せません。イ・ガンソクは、仕事においては不遜なくらいにそつがなくて情け容赦がない男なのに、孝行息子であり、妹には優しい兄であり、適度に女遊びもしていそうでありながら、実は女には目もくれない…というような、男性の魅力をすべて詰め込んだような男。それを実に魅力いっぱいに演じたパク・シフは、“パク・シフの再発見”といわれて、大ブレイクしました。
このほか、2人の兄たちのそれぞれの恋物語にもじんわりとさせられ、宗家のおじいさんの話す含蓄のある一言一言に胸打たれ、終盤に行くにつれ、感動するセリフやエピソードが増えていきます。家門や家系図ということが大きなテーマなのですが、最終的に、家系図に記されている名前は、決して血のつながりだけにあらず、縁ある者たちのつながりなのだということや、脈々と受け継がれてきた先祖たちの営みの繰り返しがつながって自分に至るのだということの尊さが伝わってきて、最終回は震えが来るほど感動しました。噛みしめながらじっくりと見てもらいたい傑作です。 ■Huluで配信中 TEXT BY CHIKAYO TASHIRO 田代親世 韓流ナビゲーター 韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。