「紀州のドン・ファン」元妻への実刑判決が確定 懲役3年6か月 別男性に多額の現金を詐取した罪
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性を殺害した罪に問われている元妻が、別の男性から多額の現金をだまし取ったとして和歌山地裁で懲役3年6か月の実刑判決が言い渡された裁判で、元妻からの控訴がなかったため判決が確定したことがわかりました。
判決によりますと、須藤早貴被告(28)は2015年から3回にわたり、札幌市の当時61歳の男性から現金あわせて2980万円あまりをだまし取りました。 須藤被告は“留学の準備金や専門学校の機械の弁償代が必要”などと偽って金をだまし取り、頻繁に海外旅行へ行くなどしていましたが、裁判では「確かにウソをついて金を受け取ったが、被害男性もウソとわかって私の体をもてあそぶために金を渡してきた」などと主張。詐欺罪の成立を争う姿勢を示していました。 一方、検察側は「被告の発言で被害男性が錯誤に陥り、金を振り込んだ」と指摘。懲役4年6か月を求刑していました。 9月2日の判決で、和歌山地裁は詐欺罪の成立を認定したうえで、「被害者には若い好みの女性の歓心を得たいという気持ちもあったと考えられるが、そうした気持ちを利用して大金をだまし取る行為の違法性を軽く見ることはできない」として、須藤被告に懲役3年6カ月の実刑を言い渡していました。 和歌山地裁によりますと、期限だった17日までに元妻側、検察側双方から控訴の申し立てはなく、判決が確定したということです。 須藤被告は6年前(2018年)に夫で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野﨑幸助さん(当時77)を急性覚せい剤中毒に陥らせて殺害した罪などにも問われていて、裁判員裁判が始まっていますが、起訴内容を否認し、無罪を主張しています。 この裁判は、12月に判決が言い渡される予定です。 〈おことわり〉 須藤早貴被告は詐欺事件の当時は19歳でしたが、殺人という重大事件の被告として、すでに名前も報じられていることなどに鑑みて、MBSとしては実名で報じています。