オープンソース監視ツール「Zabbix 7.2」リリース、NVIDIA GPUの監視機能を搭載予定
Zabbix Japan合同会社は11日、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の新版「Zabbix 7.2」を12月10日にリリースしたと発表した。 Zabbixは、サーバー、ネットワーク機器、サービスなど、さまざまなITリソースを監視・追跡できるよう開発されたオープンソースの監視ソフトウェア。おおむね1年半ごとに安定版が提供され、5年間サポートが提供されるLTS(長期サポート:Long Term Support)と、6カ月ごとに安定版が提供されるポイントリリースの、2つのリリース形態で提供されている。 今回発表されたZabbix 7.2はポイントリリースとなり、既存のさまざまな監視機能やワークフローを改善しながら、データ、ホスト情報を可視化する新しい方法を導入しているという。 まず、SSHサブシステムを使用してSFTPやNETCONFによる監視データ収集を行えるようになった。ssh.runアイテムに「subsystem」パラメータが追加され、ユーザーは監視をNETCONFに限定しているネットワークデバイスを監視できるとのこと。 加えて、Zabbix設定パラメータを環境変数で指定する機能により、自動化ワークフローやコンテナによるZabbixコンポーネントのデプロイを容易に行えるようになった。環境変数をZabbix設定ファイルに渡すことで、ZabbixコンポーネントのCI/CDワークフローを効率化できるほか、環境変数を利用してZabbixコンテナデプロイを簡素化できるとしている。 VMwareの監視機能も改善され、スタンドアロンのVMwareハイパーバイザーテンプレートによって、VMwareの監視ワークフローを簡素化可能。ハイパーバイザーのメンテナンスモードの監視に対応するとともに、VMwareのイベント収集における安定性の問題も解決したとしている。 さらに、仮想化基盤のNutanix Prism Elementの監視を容易に行えるよう、新しいテンプレートが実装された。 このほか、データ概要ウィジェットの代わりに新しいトップアイテムウィジェットが追加され、メトリクスの包括的な概要を得られるようになった。アイテムパターンを使用すると、アイテムのきめ細かな選択を行える。また、データを可視化するためにバーグラフ、インジケータ、スパークラインを利用できるようになった。 このスパークラインチャートでは、最新の値だけでなく直近の値の推移を一覧でも確認可能だ。なお同チャートは、上位ホスト、トップアイテム、アイテムの値ウィジェットでサポートされている。 ウィジェットではさらに、ホストカードウィジェットを用いて、ホストのステータスやリソースなどの詳細情報を表示できるように改善された。ホストの障害数、インターフェースのステータス、インベントリデータなどの表示を行え、ホストカードウィジェットをホストナビゲータウィジェットにリンクすることで、表示されるホストを動的に更新しながら、フィールドの表示や順序をカスタマイズできる。 またZabbix 7.2.1からは、Zabbixエージェント2を利用してNVIDIA GPUを自動的に検出し、監視を開始できるようになる。LinuxとWindows環境で利用でき、GPU利用率、電力使用量、温度などのメトリクスの監視に対応する。
クラウド Watch,石井 一志