【中国への対応はアジア版NATOではない】政権移行期を狙った中国の軍事行動、毅然かつ冷静に対峙する覚悟を
新総裁に求められることとは
前述したように、中国が2006年以降、日本への挑発行為に舵を切ったのは、首相が1年足らずで代わり、政権が交代する国内政治の低迷期と重なっている。今の政権移行期を狙って軍事行動を仕掛けているのも、日本の出方をうかがっていると考えるのが妥当だろう。 であるならば、中国に対し「台湾有事は日本有事」というメッセージを発信し続け、中国が台湾に武力行使することは、日米とその同志国を敵に回すことになるという毅然とした態度を貫き通すことだ。その上で、日中間に山積する諸問題についても、どうすれば中国が嫌がるか、そうした戦略的な思考で対中外交を進めてもらいたい。今、石破氏に求められるのは、毅然かつ冷静に中国と対峙する覚悟を示すことだけだ。
勝股秀通