50代・関智一さんがなりたかった「格好いい大人」。理想に近づけているかと考えてしまう帰り道も
あの頃憧れた“格好いい”大人になれたのか
なんてアンニュイな雰囲気でいい感じに言ってますが、僕が憧れていた格好いい大人の仕草がもうひとつ。「粋な食べ方が様になっている人」。 いやぁ、皆さんも一度は憧れませんでしたか? おそばは先ずはそのままなにもつけずに。そのあと塩少しかけてそば自体の味を楽しむ。揚げ物はしょうゆか塩、お寿司は白身からなどなど。 これを人に強いたり説教したりは論外で、ただ自分流の楽しみ方として、さり気なく、粋に楽しむ。なんだかソレが格好よく思えて。 僕の父親もそんな食べ方をする人だったので、おませな僕は見様見真似で同じように食べて見せては「お、通だね~」と言われるのがうれしかったりしたものです。幼心に認められて大人になれた気がしたんですよねぇ。 やがて声優になってからも、先輩方が「もうお肉は赤身がいいよね、カルビは重たい」なんて言ってるのを聞いて、妙に大人っぽく感じたりして。そうか、大人はカルビより赤身、赤身よりホルモンか。 今思うとどこに大人を感じていたんだか(笑)。まだまだカルビをガッツリ食べたい年頃にも関わらず、真似してホルモンばかり注文してたこもあったなぁ…。 それから時は過ぎ、今ではすっかり、大人(肉体的に)になった私ですが、昔なじみの先輩やおじさまたちの中では、今でも僕はまだまだ若いひよっ子。 「関くんは若いんだから、どんどんステーキを食べなさい。皆の余った分も関くんが食べるから、こっちに寄越して」と、盛りだくさんのお肉を注文してくれたりもしますが…私、あの頃のようにガツガツと、もう、お肉やお米を食べられないんですよ、先輩(泣)。 …嗚呼、今は心の底から赤身でサッパリを求めてます、はい。 と、まぁ、僕が想い描いた大人像には、まだまだ遠く及ばない僕ではありますが、先日、友人の甥っ子の小学生男子に、「大きくなったら僕は関さんみたいに遊んで暮らす大人になるんだ」と言われました。 …うん、これはこれでいいのかな? ある意味、理想的な大人になれてるような気もします。
☆今月の関智通信☆
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関智一