前ソフトバンクの和田毅氏「思う存分、箱根駅伝を堪能できる」 引退後の“のんびり生活”語った
和田さん、ここ最近は何をしているんですか――。今季限りで現役を引退した前ソフトバンクの和田毅氏(43)が本紙の単独インタビューに応じ、引退後の近況を語った。ダイエーに入団し、22年間の現役生活にピリオドを打ったレジェンド左腕は、11月5日の引退会見後から静養中。好きな時間に起床し、家族サービスをしたり膝がパキパキと鳴ったりしながら、スローライフを堪能している。 (聞き手・井上 満夫) 【写真】11月、引退会見に臨み、ソフトバンク・周東(左)から花束を受け取る和田氏 ――引退会見後、毎日、どう過ごしていますか。 「朝ご飯を食べ、何もなければ嫁さんとランチや、買い物に行ったり。仕事や、雑用もしたりですかね」 ――どんな瞬間に幸せを感じます? 「いやーもう、目覚ましをセットせずに朝起きたときですね。まずは練習しなきゃ、という流れがないですからね。いいですよ」 ――引退後も体は鍛えているんですか? 「本当に何も鍛えてなくて。このあいだ久々に(筋力トレーニングの)デッドリフトをしたら膝が“パキパキパキ~”って鳴って驚いた。背中周りや肩周りが何もしないから小さくなったし、お尻も小さくなって体重は約2キロ落ちました。食事の量も動かなくなったから減らしているのもあるんですけど。これからは健康、体形維持のトレーニングは再開しようかなと。一気にしぼみたくはないんで。現役時代は81・5キロだったので、76キロくらいには抑えたい」 ――引退後、初めて迎える正月の予定は。 「普通に大掃除から、おせちを食べて箱根駅伝見て、初詣に行って。いつもは1月2、3日くらいからした練習もしなくていい。思う存分、箱根駅伝を堪能できるなと」 ――来年1月、長崎の合同自主トレ「和田塾」ではスパルタ指導が見られそう。 「(恒例の)坂ダッシュも1本くらいしか走りませんよ(笑い)。体幹など気付けば教えていく感じです」 ――現役を終えた今、やりたいことは? 「時間がないとできないことをしたいかな。今まで時間がなくてできなかったので。電車でのんびり旅をしたり、フェリーで何日間か回ったりとか。これが一番、ぜいたくですよね。あとは、嫁さんと温泉とか、自由に行きたいなとも思っています」 ――納会ゴルフで小久保監督から期待の左腕・前田悠について相談をされたとか。 「僕は若いときはガムシャラに練習した。特に19、20歳は無心でやっていたと。今は効率的なことを求められる時代で、それが成長につながる部分でもあるけど、僕は質を上げても量をしないといけないと思う。当然、質も高めつつ、量をやるべきなんじゃないかなと思って言いました。体の強さを彼には量で。むちゃできるのは今、若い今しかない」 ――FAを行使した石川と甲斐の去就がそれぞれ決定した。 「彼らにとっての挑戦です。2人の挑戦する新しい姿を見てみたい。僕もメジャーに挑戦した。挑戦したい気持ちは似ているんじゃないかな。プロとして成長したいという姿、表れと思いますので応援したいですね。チームが変わっても、バックにはファンがいる。成長のための決断、頑張ってほしいです」 ――いずれ監督をやってみたいのでは? 「そう簡単にはね。まだ、ないです。軽いものではないし、まずはいろんなことの勉強からやっていきたいと思ってます」 ◇和田 毅(わだ・つよし)1981年(昭56)2月21日生まれの43歳。浜田から早大に進み、東京六大学通算27勝。通算476奪三振の歴代最多記録をマーク。02年に自由獲得枠でダイエー(現ソフトバンク)入り。03年新人王、10年は17勝で最多勝と最優秀選手。11年オフに大リーグ移籍し4年間で5勝。ソフトバンクに復帰した16年は最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。日本代表としても06年第1回WBCで優勝、04年アテネ五輪で銅メダルに貢献した。左投げ左打ち。