白石聖“美の暴力”がすぎる…一方、見逃せない「違和感」とは? ドラマ『潜入兄妹』第2話考察レビュー
なぜ白石聖がキャスティングされたのか?
すでに第2話の放送直後から話題を集めているのが、彼女の正体である。第1話にて『占拠』シリーズの志摩蓮司(春とヒコーキ・ぐんぴぃ)が登場し、管理官の和泉さくら(ソニン)の名前を出したこと、第3話には『新空港占拠』に登場した警備員・彦根春馬(春とヒコーキ・土岡哲朗)の出演がアナウンスされていることから、同シリーズと『潜入兄妹』の世界線がつながっているのは明白だ。 では、なぜ同じ俳優が違う役柄を担っているのか? ここに違和感を覚える。 公式HPを見てみると、朱雀は元税理士で「幻獣」の金庫番を担当しているという。こうなると、澪の双子or姉妹説、何らかの方法で澪が過去を改ざんし、「幻獣」に潜入した説(もしくは、鳳凰からのオファー?)が有力。 もちろん、まったくの他人という可能性や、『潜入兄妹』は『占拠』シリーズよりも過去の話という説もある。 ただ、電動丸ノコギリで追い込むシーンは、『占拠』シリーズの武装集団が行っていた方法と酷似していて、彼ら彼女らのやり方を踏襲したと予想できる。よって、関係者というセンも捨てきれないだろう。
『潜入兄妹』が毎話提示する「違和感」と「仕掛け」
果たして、朱雀は『占拠』シリーズの世界線との架け橋となる存在なのだろうか? 「幻獣」と澪がいた武装集団「獣」という名前も似ているため、何らかで関わっている可能性も十二分にある。 『潜入兄妹』は、物語の展開はもちろん、幻獣側の正体・目的、この物語が迎える結末などの考察要素が盛り込まれているため、最後まで観ないとスッキリしない作品である。 もちろん、「なぜ澪役の白石がキャスティングされたのか」についても、ドラマを観ないとその疑問は解消されない。 我々が本作に釘付けになっているのは、こうした「違和感」と「仕掛け」に初回から魅了されているからだろう。そのため、『潜入兄妹』を1話も見逃すことなく追いかけたくなるのだ。第3話の放送も楽しみに待ちたい。 【著者プロフィール:浜瀬将樹】 1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。
浜瀬将樹