《独占》宮本恒靖JFA新会長インタビュー 強い日本代表を作り続けるには「長谷部誠のような人材」が突破口になる
【宮本会長はJFAの持ち越し課題に向き合う】 Jリーグのクラブがアジアから監督を呼ぶ場合、その供給元はオーストラリアに限られる。ワールドカップのアジア予選やアジアカップで早期敗退する国から、監督を招く動きはない。日本の指導者に任せたほうが、チーム作りのレベルは高いと考えられるからだろう。 ヨーロッパ各国から日本の指導者へ向けられる視線も、現時点では同じようなものかもしれない。宮本会長は控え目にうなずいた。 「日本人選手がヨーロッパの各国リーグでもっともっと活躍するとか、代表チームがもっと成績を残すことで、日本サッカーはもちろん指導者の評価、ライセンス制度の評価も上がっていくのではないでしょうか。 それから、長谷部誠選手(フランクフルト)がドイツでライセンス取得に取り組んでいますが、その国で名を成し、(現地の)言葉をしゃべり、サッカー文化を知る彼のような人材が日本人指導者としてある一定のキャリアを築いてくれるのも、突破口になると思います」 宮本会長が掲げる8つの政策のなかには、これまでの持ち越し課題があり、自身のもとでさらに推進していくものがある。インタビューの後編では、JFAにとって頭痛の種となっている日本代表戦の地上波での放映などについて聞く。 (後編につづく) ◆宮本恒靖・後編>>「激減した日本代表の地上波放送」をどうする? 【profile】宮本恒靖(みやもと・つねやす)1977年2月7日生まれ、大阪府富田林市出身。1995年にガンバ大阪ユースからトップチームに昇格し、DF陣の主力として12年間プレーしたのち2006年にレッドブル・ザルツブルクに移籍。2009年からヴィッセル神戸でプレーし、2011年に現役引退。引退後はガンバ大阪U-23監督を経て2018年から2021年までトップチームを率いる。2022年に日本サッカー協会理事となり、2024年3月24日付で第15代会長に史上最年少で就任した。日本代表では長くキャプテンを務め、2002年と2006年のワールドカップに出場。日本代表=71試合3得点。
戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei