王者不在でブレガがトップ、初お披露目のビモータKB998はシェイクダウンを遂行。長島は11番手/SBKヘレステスト1日目
10月22日、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第12戦スペインラウンドが開催されたヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトにて、2025年シーズンに向けたヘレステストが実施された。計21台が参加し、1日目はニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing - Ducati)がトップタイムをマークした。 【写真】Bimota by Kawasaki Racing Teamのピットに訪れたアレックス・ロウズとアクセル・バッサーニ/2024SBKヘレステスト1日目 2024年シーズンのチャンピオンも決定した、WorldSBKの最終戦となった第12戦スペインラウンドから2日が経ち、同地ヘレスでは早くも2025年シーズンに向けたヘレス公式テストの1日目が実施。今回のテストで一躍注目を集めていたのが、2025年からカワサキとビモータがタッグを組んで参戦する『Bimota by Kawasaki Racing Team(BbKRT)』のお披露目だ。 テストの前日21日には、すでに2025年からWorldSBKで使用する新型バイクであるビモータKB998の全容が明らかにされたが、今回のヘレステストが実際にデビューとなった。ビモータが設計および構築したシャシーにカワサキのエンジンを搭載しており、今回シェイクダウンを実施したのは、Kawasaki Racing Teamのテストライダーを務めるフロリアン・マリノだ。 BbKRTとしてはリザルト上で3台のマシンを走らせていたようで、そのうち1台はトップから3.218秒差の1分41秒360をマーク。21台中13番手につけた。また、カワサキとしてはKawasaki Puccetti Racingも1台走らせており、ギャレット・ガーロフがライド。1分39秒650と全体の4番手タイムをマークした。 一方で全体のトップにつけたのは、今季ルーキーながらもデビュー戦で優勝を飾り、ランキング2位を獲得するなど躍進を見せたブレガだった。この日は2台のマシンをテストしていたようで、自身がワン・ツーを占める結果に。1分38秒142という圧倒的なタイムでリードし、チームメイトのアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing - Ducati)に1.5秒近くの差をつけた。 好調さを示すブレガに対し、3番手にはバウティスが食い込んだものの、ウイーク中に引き続きテストでも序盤に転倒があったようだ。今季は残念ながらタイトル防衛には至らなかったが、ランキング3位には食い込んだ。そして今回のテストでもブレガに次いで3番手につけており、来年に向けて着実に準備を進めている様子だ。 ドゥカティとしてはライアン・ヴィッカース(Motocorsa Racing)も参加し、初走行ながらも1分40秒922で全体の7番手タイムをマークした。2025年よりWorldSBKからWSSPに舞台を移すフィリップ・エッテル(ARUBA WSS)は、1分43秒057の20番手となった。 また、上位の5番手には後半戦にかけて復調を見せてきたホンダ勢が食い込んだ。第12戦スペインラウンドのスーパーポール・レースでは、Team HRCのチャビ・ビエルゲとイケル・レクオーナが同士討ちと不運に見舞われたが、今回のテストではチャビ・ビエルゲがTEAM HRC WSBKより参加。3台のマシンを走らせていたようで、トップから1.508秒差の1分39秒650をマークし、引き続き好調ぶりが伺える。 左足の指を骨折によりレース2を欠場していたレクオーナは未参加となったが、最終戦にワイルドカード参戦した長島哲太(HRC TEST TEAM)が引き続きテストに参加。2年ぶりのWorldSBK参戦ながらもレース1ではポイントを獲得する走りも見せ、2日目もマシンの改善に取り組みながら全3レースを全て完走。そんな長島はヘレステストで1分41秒183で11番手につけた。 ホンダ勢からはタラン・マッケンジー(PETRONAS MIE Racing Honda)も参加し1分41秒063の9番手に。トミー・ブライドウェル(Honda Racing UK)は1分41秒614の15番手に続いている。 他にもトップ10を見ると、今季WorldSBKで初のチャンピオンを獲得したBMWも名を連ねているが、王者に導いたトプラク・ラズガットリオグル(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)は、祝勝会に参加していた影響で不参加となっている。そのため、マーカス・ライターベルガーとシルバン・ギュントーリ(Rokit BMW Motorrad WSBK)がテストに参加。 各2台ずつのマシンをテストしていたようで、ライターベルガーは計48周をこなして1分41秒088と10番手に。ギュントーリは計64周をこなして1分41秒806の17番手につけた。 また、トライアンフからはトム・ブース・アモス(PTR Triumph)と、オリ・ベイリス(MON PTR)のふたりが参加。ブース・アモスが1分42秒889の19番手、ベイリスが1分44秒243の21番手につけた。 チャピオン不在でのヘレステスト1日目は、レギュラー参戦ライダーとAruba.it Racing - Ducatiのふたりが速さを見せた。引き続き23日にも同地でテストが実施されるが、来季に向けてシェイクダウンを進める各チームはどこまでメニューをこなすことができるだろうか。 [オートスポーツweb 2024年10月23日]