陛下と"天皇の歴史"を学んでいる…「愛子さまには皇室の将来を背負う覚悟がある」とわかる"意外な行動"
■陛下とともに「天皇の歴史」を学ぶ意味 天皇陛下から敬宮殿下への受け継ぎという点で、見逃せない事実がある。それは、過去の天皇のご事蹟を陛下とご一緒に学ばれていることだ。 皇室では、毎年恒例の祭祀が多く行われている。その他に大切な臨時の祭祀もある。その中に、「式年祭」と呼ばれるものがある。式年祭は、天皇が亡くなられてから決まった年ごとに、亡くなられた日にあたる日(崩御相当日)に執り行われる。今年は「懿徳(いとく)天皇二千五百年」(10月1日)、「平城天皇千二百年」(8月9日)、「後宇多天皇七百年」(7月24日)、「後亀山天皇六百年」(5月19日)の式年祭が行われた。 敬宮殿下はそれらすべての祭祀に参列されたばかりか、式年祭の前に行われるそれぞれの天皇のご事蹟についての歴史学者による天皇陛下へのご進講にも、ほとんど陪席されていた。 これは意外だった。普通なら皇女であられても、このようなご進講の場にご一緒されることはないからだ。 現に、最初の後亀山天皇の時(5月10日、皇學館大学教授・岡野友彦氏によるご進講)は天皇、皇后両陛下だけで、敬宮殿下のご陪席はなかった。ところが、その次からは毎回、陪席されている。 ■皇室の将来を背負うご覚悟 「天皇の歴史」を学ぶことは皇位継承者の必須知識として、天皇陛下がまだ浩宮(ひろのみや)殿下と呼ばれていた頃から、上皇陛下がその必要性について述べておられた(昭和51年[1976年]12月17日の上皇陛下の43歳のお誕生日を控えての記者会見など)。 式年祭前のご進講に敬宮殿下が陪席されることになった経緯は、つまびらかにしない。天皇陛下が敬宮殿下を誘われたのか。それとも敬宮殿下から希望されたのか。 いずれにしても、敬宮殿下ご自身に皇室の将来を背負おうとされる前向きなお気持ちがなければ、天皇陛下のためのご進講にわざわざ陪席されることは、なかったのではないだろうか。 敬宮殿下が人生の節目を迎えられた今年は、天皇陛下から「魔法」の力を受け継がれ、人々に喜びの輪を広げる殿下の輝きが、国民により強く印象づけられた1年になった。 ---------- 高森 明勅(たかもり・あきのり) 神道学者、皇室研究者 1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録」 ----------
神道学者、皇室研究者 高森 明勅