2人に1人が「痔」に悩んでいる!? 男性だけではない、「痔」に悩む女性が急増するワケ
そもそも痔ってどんなもの?
私も痔かも?と心配になったものの、そもそも「痔ってどういうものを言うの?」と思った人も多いのではないでしょうか。ひとくちに痔といっても、大きく3つの種類があり、それぞれ症状も治療法も違います。 まずは簡単に、痔の種類についてお伝えします。
●いぼ痔
肛門に痔核といういぼ状の腫れができたもの。男女ともに、このいぼ痔を患う人がもっとも多い。 痛みはほとんどないが、排便時に出血がある。時には下着が汚れることも。いぼが肛門の外側にできると、コリコリとしたしこりのようなものが触れ、時には肛門に痛みも認める。
●切れ痔
肛門付近が切れたり裂けたりするもの。硬い便が肛門から押し出されるときに起こりやすいため、便秘がちな女性に多い。 排便のときに傷むことから、トイレを我慢して余計悪化させることも。またお尻を拭いたときにトイレットペーパーに鮮血がついたり、便や便器に鮮血がつくこともある。
●あな痔
肛門付近に細菌が入って炎症が起こり、そこから化膿して膿がたまったり、穴が開いたりするもの。 常に違和感や痛みがあり、市販薬などのセルフケアで治すことができない。患うのは圧倒的に男性が多い。
「女性が患う痔のほとんどは、いぼ痔か切れ痔です。ただし便秘と下痢を繰り返しやすい人は、切れ痔に細菌が入って悪化しあな痔になることもあります。 いぼ痔は症状が落ち着いているときと悪化するときがあり、また切れ痔は切れては治るというのを繰り返すことで慢性化することも…。そのため痔を患っていないと思っている人でも、検査をしてみると意外と痔であることは多いんです」
冷え、ホルモンバランス、妊娠……、女性は痔になる要因がいっぱい!
これまで痔といえば、主に男性が患うものと思われてきました。でも草間先生によると、実は体質的には女性のほうが痔になりやすいのだそう! 「痔の最大の要因は便秘ですが、女性は冷え性の方が多いことなどから、腸の動きが悪くなり便通が乱れやすくなったり、お尻の血流が悪くうっ血しやすくなったりと、いぼ痔や切れ痔を発症しやすい。また女性は、職場で排便をするのが恥ずかしくて我慢しがち。そうやっていつも我慢していると、便意を感じにくくなって便秘になってしまうんです。 さらに女性はホルモンバランスの影響が大きい。生理前や生理中は腸の動きが悪くなって便秘になる人もいれば、人によっては下痢しやすくなることも。いぼ痔は、便秘だけでなく下痢によってもできたり、悪化したりします。 妊娠・出産も、大きな痔の誘発要因です。妊娠するとホルモンバランスが変わるのでそれだけでも便秘になりやすいのですが、加えてお腹が大きくなるので、腹圧で血流が悪くなる。また赤ちゃんによって便の通り道が塞がれやすくもなります。中には隠れいぼ痔の人も多く、妊娠によって悪化し、実は痔があったと判明する人も少なくないんです」