次期衆院選に向けて合同政策勉強会を開催した自民党大阪府連の谷川とむ会長（右）と公明党大阪府本部の石川博崇代表＝９月30日午後、大阪市中央区（山田耕一撮影）

令和3年の前回衆院選で大阪府内の選挙区の全議席を日本維新の会に奪われた自民党は、次期衆院選で新政権発足直後の追い風による巻き返しを期す。連立相手の公明党との連携を強化し、4日には共通政策を公表する予定だ。ただ、公明との間には、維新の看板政策「大阪都構想」の住民投票実施を巡るしこりも残り、選挙戦への影響を指摘する声も上がる。 【グラフでみる】衆院選の大阪府内19選挙区を巡る各党の獲得議席数 自民大阪府連と公明府本部は9月30日、大阪市内で対維新の共通政策を練り上げるため合同勉強会を開催。出席した両党の衆院選候補予定者や地方議員約120人は維新の政策に批判的な有識者らの講演を聴き、気勢を上げた。 次期衆院選を今月15日公示、27日投開票の日程で実施すると表明した石破茂首相（党総裁）は党幹事長に、選挙対策委員長や総務会長を歴任した森山裕氏を起用。自民の候補予定者は「大阪の厳しい状況を気にかけてくれていた重鎮」と歓迎する。 大阪では維新の存在が自公の間に溝を生じさせてきた。都構想に反対する自民に対し、維新は、過半数の議席を持たない大阪市議会で都構想の住民投票実施に公明の賛成を得る見返りに、衆院選では公明現職の府内4選挙区で対立候補を擁立してこなかった。しかし昨年4月の統一地方選での勝利を機に、衆院選で公明とも対決する方向にかじを切った経緯がある。 前回衆院選で維新に大阪の15選挙区で全敗した自民側には公明への不満がくすぶる。自民関係者は「支持者からは、都構想を巡って維新と連携していた公明を全面的に応援する気持ちになれないとの声をよく聞く」と話す。対維新で〝一枚岩〟になれるか。（山本考志）