「ママ行ってくれば?」娘に言われ決断した初めての一人旅 59歳にして「冒険」の醍醐味を知る 武内陶子
謹賀新年! あけましておめでとうございます! 2025年の幕開け、みなさまいかがお過ごしでしょうか。いや~今年も年が明けましたねえ。めでたい。大みそかが終わった途端何かが変わるわけじゃないけれど、新年はやっぱりめでたい! だって、新しいはいいことじゃないですか~。 【写真】女子大生時代の武内陶子さんはこちら 私が小さい頃には、お正月は必ず下着を新しくしたもんです。え? そんなの知らない? 私もすっかり忘れていたのですけれど、これがうれしかったものです。物質的にも豊かではなかった時代、せめて新しい年の初めにはきれいな下着をそろえたいよね、ということだったのでしょうか。加えて私には年子の妹がいるので、小さい頃にはパンツ取り違え問題が常に大問題だったのよ。なので、うちの母はいつも油性ペンで、私のパンツにはひまわりマーク、妹のパンツにはチューリップマークを描いてくれて。ゴムの伸びていない真新しい真っ白なパンツに描かれたひまわりがまぶしかったのを思い出します。 さて、下着といえば「旅」(なんで? 笑)。ほら、旅の途中で楽しくなっちゃって予定外に川に入って水につかっちゃったりしてさ、きゃー! とか言ってるうちに思わずお尻が水についちゃって「あちゃー!!」ってぬれたりして。 替えが足りなくなると「あー、なんで余分に入れておかなかったんだ!」と2日前の自分を責めることに。そんなこんなで下着の替えは多めに持って旅に出る私なのであります。 と、そんな私は、実は一人旅ができない人でした。なぜって? それはね、つまらないから! 旅に行っていろんな新しい景色や珍しい食べ物などに出会っても、シェアする人がいないとつまらないじゃない? ずーっとそう思っていました。一人旅を始めるまではね。 それは昨年夏のことでした。コロナ禍でどこにも出かけられないうちに、たまりにたまった「お買い物マイル」の期限が切れることが判明したのです。「これは飛行機に乗ってどこかに行かないと、みすみすお金を捨てるようなもんじゃないの!」ということになり、どこかに行こうと画策し始めた私。当然家族の誰かと(娘3人のうち1人ぐらいついてきてくれるんじゃない? と)一緒に行こうと思ったのですが、なにしろ下の子たちももう中学生になり部活やら学校行事やらでなにかと忙しく、「旅に行く人この指と~まれ!」と号令をかけてみても、しーん。「ママ行ってくれば? あたしたちなら大丈夫だよ!」と、こともなげに言い放たれ、なんだかうれしいやら寂しいやら。まあしかし、どうも私は自由の身になったらしいぞ。これまで子育てと仕事で忙しすぎる毎日だったけれど、娘たちから「どこでも行っていいよ~」のお墨付きをもらってしまった! こんな日が突然やってくるとは。感動、じーん、だ。