関電 代々続いた「金品授受」30年抜けられなかった理由とは 第三者委が会見
大きな要因は「原発の運営あるいは再稼働への影響」
ただ、なぜ30年間にわたり関電が森山氏と切れなかったかについて但木委員長は「非常に大きかったのは原発の運営あるいは再稼働への影響が原因」と指摘した。 また、2011年の福島第一原発の事故後、再稼働に対して非常に神経質になっていた際、森山氏を怒らせた場合「森山氏が関西電力高浜原発3、4号機を作った当時の『暗い部分』を暴露するのではないか」「それによって金品受領をしてきた歴史的事実を公表され、再稼働に重大な悪影響を与えるのでは」という点を心配し、森山氏からの金品の拒絶ができないまま30年続いたとしている。
「(関電は)ユーザー目線がまったくない」
但木委員長は「これには大問題がある」とし、ひとつはコンプライアンスを考える際に「ユーザー目線がまったくない」と話した。「会社にとってどうかと考えるが、電力を利用して料金を払っているユーザーに自分の行為はどうみえるかということを全く考えていない。それはこの構造を長引かせた一つの原因でないかと思います」と指摘した。 そして、もうひとつは元々は透明性がないところから問題が発生してこういうことになった点。但木委員長は「コンプライアンスを考え、先輩に相談したら、先輩に事実を抱いておけと言われ、結局解決が長引いたこと。そういう問題はせめて出しあって、せめて原子力事業本部できちんと論議するべきだが一回も論議の対象になっていなかった。取締役会に、どうすべきか論議するべきだったが、企業保全になってしまっていた」と述べた。
関電の高い公共性「ユーザー裏切るコンプライアンスではいけない」
但木委員長は、発電と送配電と電力供給をやってる関電は「本当に公共性が高い企業」とし「だからこのガバナンス、コンプライアンスというものはそれにふさわしい高いものでないといけない。少なくとも、電力を使っているユーザーの期待を裏切るようなコンプライアンス、ガバナンスではいけない」「ユーザー目線でのコンプライアンスをぜひ自分で作って」と話していた。