日程きつ過ぎ、自治体も業者も準備間に合わない…土・日返上覚悟で奔走 衆院選の投票所入場券、「期日前」が始まる16日に届かない恐れ
長野県の複数市町村選管、期日前開始までに届けられない可能性
15日公示、27日投開票の日程で行われる衆院選で、長野県の複数の市町村選挙管理委員会が、期日前投票の始まる16日までに「投票所入場券」を有権者に届けられない可能性があると見込んでいることが、各選管への取材で分かった。解散から投開票までの準備期間が戦後最短の17日間だった2021年前回選でも、一部自治体で間に合わなかった。今回も18日間と短く、3連休を挟むため遅れる見通し。各選管は本人確認ができれば入場券がなくても期日前投票は可能―と有権者に周知する考えだ。 【写真】急ピッチで製作作業が進む衆院選のポスター掲示板
解散から投開票まで18日間の短さ…入場券届くのは21日?
飯田市選管は、石破茂首相が首相就任前の9月30日に衆院解散の意向を表明し、選挙日程が固まったことを受けて約8万人分の入場券印刷を業者に発注。だが、納品は今月15日の予定で、即座に発送作業をしても有権者に届くのは早くて18日、さらに土日を挟んで21日にずれ込む可能性があるとする。 担当者は「解散表明から公示、投開票日までの期間が短く準備が間に合わなかった」と説明。一方、13日告示、20日投開票の市長選・市議補選については既に入場券を発送しており、期日前投票が始まる14日に間に合うという。
「遅れは避けられない」
約2万3千枚の入場券を発送する諏訪市でも一部で到着が16、17日となる可能性があり、運転免許証などで本人確認できれば期日前投票は可能なことをホームページや市公式ラインで伝える考え。 同市選管によると、業者に正式発注できるのは解散日の9日。同日中に届いた入場券の確認作業を済ませた上で午後3時までに郵便局に持ち込むという。担当者は「なんとか間に合うように準備を進めているが、遅れは避けられない状況」。
4日の県内各選管への取材では、少なくとも他に上田、小諸、佐久、須坂、中野、千曲、大町、茅野、塩尻、安曇野、岡谷、伊那、駒ケ根の各市と諏訪郡下諏訪町、同郡富士見町、東筑摩郡山形村、同郡朝日村の一部で16日までに入場券が有権者に届かない可能性があるという。