<リオ五輪>今夜初戦の日韓戦 女子バレー、メダル獲得の可能性は?
――重要なのは初戦の韓国戦(日本時間6日、午後9時30分)ですよね。 「そうです。韓国に勝てばチームに自信が生まれます。次のカメルーンと連勝すれば、チームに勢いがつきますから、メダル獲得の可能性がアップすると考えられます」 ――その韓国にどう勝つか? 日本のJTでもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョンをどう止めるか? 「世界最終予選(OQT)では、彼女が良かったというよりも、日本が良くなかった。特にサーブ。逆に相手にサーブで崩され、いいようにやられました。これは韓国戦に限らないのですが、サーブが鍵です。ヨンギョン選手を打てない状態にするか、悪い状態で打たせるのか。サーブで狙ってプレッシャーをかけて潰しにかかるのか、それとも逆に狙わないという作戦もあると思うんです。ヨンギョン選手は、レセプションからリズムを作るタイプなので、彼女以外の選手をサーブで狙って、ヨンギョン選手からリズムを奪うという手もあると思います。他の選手の守備力は落ちますからね」 ――それは面白いですね。 「それとオポジットのキム・ヒジン選手を先に潰しておくと楽になります。キム・ヒジン選手は守備力が少し落ちますので、その周辺を狙って攻めていくと崩れてくるかもしれません。そこは意識しておくことは必要でしょう」 ――さらに韓国対策はありますか? 「OQTでは、ミドルの選手へのゆっくりしたトスにもやられました。日本は上げない種類のトスです。ヨンギョン選手、キム・ヒジン選手を意識するあまり、あのミドルの攻撃への対応が疎かになってしまうと、韓国の思うツボになってしまいます。逆に、日本もあの攻撃をやってみるのも面白いと思います。荒木絵里香選手も、島村春世選手も、そういう攻撃の可能な選手です。木村選手が徹底マークされないためにも、ミドルの選手がもっと打っていいと思います。勝負どころではエースにボールが行くものですから、それまでの過程で、たくさんの選択肢があることを見せておけば、勝負の場面で、相手も絞りきれなくなります」 ――セッターのトスワークが重要になりますね。 「ミドルの打数が増えると、間違いなくいい形になります。鍵は、セッターの2人ですね。今回、田代佳奈美選手と、宮下遥選手の2人が選ばれましたが、OQTでは田代選手が韓国戦に起用されていませんので、相手にデータが少ないように思います。田代選手をどう起用するのかも鍵になってくると思います。」 ――韓国戦に備えてか、選手村に入りませんでした。 「集中したいのだと思います。ピリピリしすぎても、少しでも想定外のことが起きた場合に対応ができなくなりますが、選手村に入って環境が変わると、オリンピックのプレッシャーも出てきます。ホテルだといつもの大会と一緒になるので平常心を保つことにつながるのかもしれません」