<リオ五輪>今夜初戦の日韓戦 女子バレー、メダル獲得の可能性は?
リオ五輪が開幕。日本時間6日の夜9時30分からは、ロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレーの日本代表が、初戦の韓国戦に挑む。12か国が参加して行われる女子バレーは、2つのグループに分けられ、それぞれ総当りの予選ラウンドを行い、上位4か国が決勝トーナメントを行う。決勝Tの初戦が準々決勝で、その後、準決勝、決勝・3位決定戦へと進む。日本は、韓国、カメルーン、ブラジル、ロシア、アルゼンチンのグループAに入った。日本は2大会連続メダル獲得に向けて、まずは予選グループAの突破を目指す。メダル獲得の可能性は? そのキーポイントはどこにあるのか? 元アテネ五輪代表の大山加奈さんに解説を聞いた。 ――いよいよ五輪です。まずは12人の代表選考について。 「ウイングスパイカー(パスヒッター)が、木村沙織選手、石井優希選手、鍋谷友理枝選手の3人だけの選出となり、レシーバーを起用する形となりました。スパイカーの枚数が1枚減ると、バックアタックという選択肢がなくなるので、相手としてはブロックがつきやすくなり、フォワードの選手へのマークが厳しくなるというデメリットがあります。バックアタックがあれば、相手ブロッカーは絞りきれなくなるのですが、そういう部分よりも、レシーバーとして座安琴希選手を入れ、拾ってつなぐ、“拾わないと始まらないんだぞ!”というバレーを選んだのだと思います」 ――守りの強化ですね? 「メリット、デメリットを十分に考慮した上で、データからも、その方がベストと判断したのでしょう。レシーバーが入れば、サイドアウトを取り、ブレイクする確率もアップします。おそらく1セットのなかの大事なところ、勝負どころで、3ローテを使ってサイドアウト、ブレイクをとりたいという戦術だと思います。守りを固めたい、と考えたのでしょう」 ――それは世界の流れから見てどうですか? 「レシーバーを入れているチームは決して少なくなく、世界の戦術トレンドに逆行しているわけではありません。レシーバー起用される座安選手の持つ雰囲気が、このチームに必要と決断した面もあると思います。どちらかと言えばおとなしく感情を表に出さない選手が多いので、座安選手のように、アップゾーンからコートに向けて声を出し続けている選手は貴重で、苦しい戦いの中で、見えない力が加わることになります。座安選手は、ロンドン五輪代表から最終選考で落ちた悔しさを持っています。そういう4年の思いをぶつけて欲しい、との狙いもあったのでしょう」 ――眞鍋監督は、選考で最重要視したのは、チームワークと言っていましたからね。 「ファイトあるプレーをする鍋谷選手を入れたのも、その理由かもしれません」 ――ズバリ、メダルは獲得できますか? 「オリンピックという舞台で簡単な試合はありません。厳しい戦いにはなります。ただ予選ではグループ上位4チームが準々決勝に進めますから、2勝すれば予選グループは突破できます。その可能性は99パーセントと断言していいでしょう。カメルーン、アルゼンチンは、自分たちの力をしっかりと出せれば勝てる相手です。カメルーンは、パワーがあるが高さはなく、身体能力も、キューバ、ドミニカには届きません。むしろ2戦目ということで、ここで全員がコートに立って雰囲気に慣れておきたい。アルゼンチンは準ホームで応援はすごいと思いますが、高さも実力的には問題ないと思います。 ただ、その先のメダル獲得のことを考えると、できる限り上位でグループリーグを抜けて準々決勝ではB組の上位で抜けてくるアメリカ、中国と当たらないようにしたい。そう考えると、韓国にはもちろん、ランキングが日本より上にあるブラジル、ロシアのどちらか、または両方に勝ち2位抜け以上を狙いたいところです」