【MotoGP】「俺が100%勝つと思っていたのに……」アレイシ・エスパルガロ、カタール決勝は“悪夢”の8位フィニッシュ
ルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたMotoGP開幕戦カタールGP。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は「悪夢」のレースになるまで、優勝争いに加わることを確信していたと悔しさをにじませた。 【ランキング一覧】ドゥカティのバニャイヤ、開幕戦優勝でトップ エスパルガロはグランプリ2日目に行なわれたスプリントレースで、終盤にかけて驚異的なペースを発揮し3位を獲得。その速さにはスプリントで争ったマルク・マルケス(グレシーニ)から、決勝の優勝候補間違いなしと評されたほどだった。 しかし決勝レースでエスパルガロは、期待されたような結果を残すことができなかった。2番グリッドからのスタートだったものの、1周目に9番手まで順位を落としトップ集団からは離されてしまった。 スタートでの出遅れで中団グループでの戦いとなったエスパルガロは、ペースも上がらなかったことから前に追いつくことも叶わず最終的に8位と、当初の期待からは遠い位置で決勝を終えた。 レース後エスパルガロは今回のペース不足について「恥ずかしい」と口にし、速さが無かった原因を説明するなら、それはタイヤにあるのではないかと語った。 「リヤタイヤに何か問題があったんだ」とエスパルガロは言う。 「ウォームアップラップの時点で、リヤタイヤが氷のようだった。トラクションがまったくかかっていなかったんだ。レースは悪夢のようだったよ。バンクさせていくこともできず、何もできなかった」 「土曜の夜に寝る時は、100%このレースを勝てるだろうと確信していたんだけどね」 「でもレースは悪夢になってしまった。とんでもなく遅くて、1分53秒台で周回していたんだ。昨日のスプリントでは1分52秒4を8周目に出していたのにだ。だから恥ずかしいことだった」 エスパルガロはタイヤの問題について、さらに次のように説明した。 「ミシュランやチームと、何が起こったのかを理解しなきゃいけない。以前だったらミシュランは、君にスピードがないと言うだけだった。(そういう検証をするのは)難しいことだったんだ」 「スプリントで僕はとても速かった。ラストラップですら、1分52秒5台のタイムはかなり楽に出せると感じていたほどだ。そして今日、僕はどのコーナーでも転倒しそうになっていた。トップ10でフィニッシュできたのは本当に幸運だった」 なおチームメイトのマーベリック・ビニャーレスは、決勝レースを10位でフィニッシュ。彼はまだ2024年型マシンでエスパルガロほどの競争力を発揮できていないが、今シーズンのバイクから力を引き出すにはもう少し時間が必要な様子だ。 「確かに、僕らのレベルはもっと高いからこそ、この結果には満足していない」 ビニャーレスはそう語る。 「自分で確認したことや、バイクの改善のためにチームに何をもたらせたかというところには満足している。スタートは非常に重要な部分のひとつだったんだけど、昨年に比べて相当改善できた。そして、バイクの加速が非常に優れているということももうひとつ重要な点だ」 「今はブレーキのかけ方を改善していく必要がある。ダウンフォースや空力面の変更によって、フロントタイヤを間違った方向性にプッシュしてしまっているんだ。僕らはそれを認識して、改善していかなければいけない」 「というのも今日は、タイヤは素晴らしかったんだけど、フロントタイヤが完全に終わってしまったんだ。普段なら僕はフロントタイヤを使わないんだ」 「そのことは、バイクのバランスが間違っている可能性があることを示していると思う。だからそれをしっかりと評価する必要があるんだ」
Rachit Thukral