マツダの斬新なブランド戦略「MAZDA FAN FESTA」2日間の大規模イベント開催のワケ
そうした中で、筆者が興味を持ったのは「ロードスターVR体験」だ。VRゴーグルをつけて仮想空間を体験すること自体はもはやめずらしくないが、その内容がとても濃いものだった。 ステアリングやペダルに見立てた輪やバットを操作して、ロードスターを仮想空間で運転できるだけでなく、エンジン内部や回転するタイヤの中に顔を入れて機械の作動状況を観察できるというもので、子どもだけでなく大人にとっても新鮮な体験である。
また、「XR Activity Lab」では、eスポーツのようなドライビングシミュレーターを使い、マツダのデザイナーが新たに作ったキャラクターモデルで、キメの細かい形状や色合いを駆使した仮想空間を移動する体験ができた。 自動車メーカー各社では近年、量産車開発や新しいサービス事業構築に向けて、仮想空間を使った研究開発を進めている。そんな中で、これらの体験型コンテンツは、「クルマの楽しさ」に直結するわかりやすさを重視している点が特徴だ。
■鍛造から制御まで「モノづくり」体験 ピットビル内では、マツダの開発者や技術者が自ら考案した、子どもにも理解しやすいようなモノづくり体験や技術体験を行っていた。例をあげると以下のとおり。 ・マフラー(消音器)の工作キット作成 ・プレス技術の歴史と進化の体験 ・ディーゼル(SKYACTIV-D)圧縮着火の再現体験 ・エンジンの鋳造に対する説明 ・鍛造でのスタンプづくり ・プラスチック廃棄物を素材とする射出成形体験
・子ども用のプログラミングによる車両運動制御の体験 ・クレイモデル作業体験 ・実車を使った子ども向けサービスエンジニア体験 クルマづくりからメンテナンスまで、現役社員がユーザーやその家族と直接触れ合う試みが盛りだくさんだ。 パドックエリアには、マツダ資本100%の10社を含む、新車販売企業各社やアフターマーケット関連企業など64社が出展。キッチンカーなど22社が、個性豊かなフードを提供した。 さらには、ロードスター35周年記念モデルの世界発表と開発者やデザイナーによるトークショー、プロミュージシャンによるスペシャルステージなども開催。1日ではすべてを見きれないほどの充実ぶりだった。