プログラム・ディレクターが解説 「ガンダム」シリーズ「火垂るの墓」などや海外の長編アニメ作品が上映される、第2回新潟国際アニメーション映画祭
国際色と地域色がさらに高まる第2回
第2回目となる映画祭では、審査委長を“ポスト・ジブリ”とも評されるアイルランドのアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」のノラ・トゥーミー氏が務める。監督として手がけた『ブレンダンとケルズの秘密』や『ブレッドウィナー/生きのびるために』は、アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされており、世界的には高い評価を受けているアニメーターだ。 長編コンペティション部門にノミネートされた作品は、29カ国・地域49本の応募から12作品にのぼり、昨年の10作品から2作品増えた形だ。12作品のうち、日本の作品は岡田麿里監督の『アリスとテレスのまぼろし工場』と、塚原重義監督の『クラユカバ』の2作品のみで、これ以外はヨーロッパや北米、東南アジアや南アメリカといった文字通り世界中から集まった作品が並んでいる。 「ノミネート12 作品をざっと見ていて、いい映画が並んだなって我ながら惚れ惚れしているんですよ」と語る数土さん。続けて、こう腕を鳴らす。 「エントリー数が増えたことで、昨年以上に質の高い作品がノミネートに残ったと思います。今回選考された委員4人の方が、あまり監督の名前や過去の実績にとらわれずに本当に良いと思った作品を選んだので、名作が集まったと自負しています。集まった12作のうち、日本の2作品以外は違う国の作品ということで、多様性が広がったことも良かったと思います」 一方で、地域色も強まる取り組みがある。「世界の潮流」部門では「新潟から世界へ」というテーマが今回追加され、『銀河英雄伝説』の8話と『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』が上映される。この2つはいずれも新潟県内の企業やスタジオで生まれており、それを国際映画祭の場で取り上げるのが目的だ。 「これほど素晴らしいアニメーションが、新潟で生まれているんだということを多くの人にアピールしたいという意味で立てた企画です。トークイベントの数も増やしましたので、楽しみにしてほしいですね」(数土直志 談)