サヨナラ伝説名馬。ディープインパクトは引退後も凄かった……生涯種付け料400億円越え
3冠のかかった2005年の菊花賞ではなんと単勝1・0倍だった。これは、支持率にすれば79.00%で、歴代最高単勝支持率となっている。 その年の有馬記念ではハーツクライに敗れる挫折を味わった。だが、2006年の天皇賞・春では、当時のレコードで駆け抜け「世界にこれ以上強い馬がいるのか」と天才騎手をうならせた。日本中が注目した仏G1凱旋門賞は残念な結果に終わったが、ジャパンカップで復活。ここではハーツクライと再戦して有馬の借りを返した。ラストランとなった2006年の有馬記念では、ファン投票で11万票を超える支持を集めて再び衝撃を与えてくれた。ディープインパクトのレースのほとんどは後方から一気にスパートをかける逆転劇で、最後の直線は「飛ぶ」と表現された。有馬のラストランも、道中3番手から追い上げての圧勝。武豊はレース後「今までにない強烈な飛びだった」とコメントした。不思議なもので、ディープインパクトは、これがラストランと知っていたのか、ゴール後、走るのを嫌がり、恒例のウイニングランは行われなかった。 14戦12勝で、ボーナスを含まない生涯獲得賞金は、歴代3位の14 億 5455 万円。ちなみに1位は、キタサンブラックの18億7684万円となっている。 ディープインパクトの“第二の人生”はもっと凄かった。 4歳で引退し、日本で繋養された種牡馬として史上最高価格となる51億円(8500万円×60株)のシンジケートが組まれて北海道勇払郡安平町の社台スタリオンステーションで“種牡馬生活”へと入った。ディープインパクトは、ここでも期待に応えた。産駒がデビューした2010年には、41勝し、総獲得賞金が5億3704万3000円となり2歳リーディングサイアーになった。ちなみに産駒出走初年度の総獲得賞金記録は、サンデーサイレンスが持っていた記録を16年ぶりに更新するものだった。翌年には、マルセリーナが桜花賞を勝ってクラシック初制覇。2012年から昨年まで7年連続でリーディングサイアーに輝き、産駒の通算勝利数は、歴代2位となる1941 勝。そのうちG1が 50 勝、クラシックが18勝で、いずれでも歴代2位の記録だった。 今年のダービーを制したロジャーバローズもディープインパクトの子供だ。