漁獲未報告の「闇マグロ」が発覚して横浜市中央卸売市場に激震…!「大漁なのに捨てまくっている」クロマグロ漁師の知られざる実状
横浜だけにとどまらない「闇マグロ」
古くは縄文時代からマグロは日本人に親しまれてきた。もちろん世界で一番マグロを食べるのは日本人で、世界の消費量の4分の1を占める。クロマグロ1本に数百万円の値がつくことも珍しくなく、今年の「初セリ」では大間産のクロマグロが1億1424万円で競り落とされ話題を呼んだ。 そんな日本のマグロ市場に浮上した「闇マグロ問題」。実は発覚したのは横浜市場だけではなく、各地で逮捕者が続出している。 '23年2月には、青森県大間町の水産会社の社長二人が、漁師22人らと共謀し、クロマグロ約98トンを県に報告しなかったとして漁業法違反の疑いで逮捕。この闇マグロは大手回転寿司チェーン「スシロー」にも流れていた。さらに今年9月には、宮城県気仙沼市でも、漁獲したマグロ約10トンを報告しなかったとして漁船の船長が海上保安庁に摘発されている。
マグロを捨てまくっている
需要があるのに、わざわざ「闇」でマグロを流すのはなぜか。マグロの資源管理問題を長年追ってきた元日経新聞記者でジャーナリストの樫原弘志氏が言う。 「大きな理由は、国際委員会で定められた『漁獲可能枠』です。日本の年間漁獲枠は現在、30kg未満の小型マグロが4007トン、30kg以上の大型マグロが5614トンが基本になっています。 マグロが絶滅の危機に陥るリスクもあったことから'15年に漁獲制限は始まりましたが、実はマグロ資源は数年前から劇的に回復しており、漁獲枠を大幅に超えて獲れてしまっている。大半の漁師は泣く泣く獲れすぎたマグロを逃がしていますが、一部の漁師が未報告のまま闇に流して儲けているわけです」 漁獲枠は漁法によっても異なるが、その配分にも問題があると樫原氏は指摘する。 「大中型巻き網漁業が全体の約6割の枠を持つ一方、一本釣りや定置網といった沿岸漁業は3割程度。いま、マグロが獲れすぎて困っているのは枠が少ない沿岸漁業です。配分に歪みがあるのは、大中型巻き網業界が水産庁幹部たちの天下りを大勢受け入れているからでしょう。 いまやマグロは獲れる量より捨てる量のほうが多いのが実状です。たとえば北海道函館市のある漁協では、定置網で入ったマグロを年間2000~3000トンも逃がしています」 後編記事『大間や気仙沼では逮捕者も…!漁獲を報告せず裏ルートで流す「闇マグロ」が横行、漁師たちが明かす「驚きの流通システム」』へ続く。 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より
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