Z世代は ソーシャルメディア を離れ、グループチャットに夢中
記事のポイント Z世代を中心に、ソーシャルメディアの開かれたコミュニケーションが減少し、プライベートなグループチャットやディスコードなどの閉鎖的なコミュニティが人気を集めている。 ブランドは、変化する消費者のコミュニケーション方法に適応するため、独自のコミュニティを作成するか、既存のコミュニティに参加する方法を模索する必要がある。 これらのプライベートコミュニティは、広告や追跡が難しい。そもそもブランド歓迎されない場をフォローするより、既存のコミュニティを活用する方が理にかなっているとの指摘も。 ブランドは常に、文化の只中にいたいと考えてきた。しかし、特にZ世代のあいだでは、広告のない閉鎖的なグループチャット、ディスコード(Discord)やフェディバースといったよりプライベートなオンラインコミュニティで、文化が育まれる傾向が強まっているようだ。ブランドが文化の一部で在り続けたいのであれば、コミュニティにアクセスする方法を見つけるか、独自のコミュニティをつくる必要があるとエージェンシー幹部は述べている。 イノーシャン(Innocean)のバイスプレジデント兼グループクリエイティブディレクターを務めるロリ・マーティン氏はメール取材に対し、「Z世代がグループチャット(やダイレクトメッセージ)に引き寄せられているという事実は、彼らにとって、双方向コミュニケーションがいかに重要であるかを示している」と分析している。「そして、こうした消費者のユーザー基盤が影響力を拡大し続けるなか、マーケターは広告やオーガニックなプレゼンスで1対1の心情を維持する必要がある」。
プライベートで閉鎖的なコミュニティが人気
今となっては、ソーシャルメディアをソーシャルメディアと呼ぶのは語弊があるかもしれない。現在のソーシャルメディアには広告、キュレートされたインフルエンサーの投稿、政治的な対立があふれ、ソーシャルからメディアに近づいているためだ。その結果、ユーザーたちはプライベートなグループチャットや閉鎖的なデジタルコミュニティに集まっていると言われている。この現象は2023年、エル(Elle)、スキム(Skimm)、ビジネス・インサイダー(Business Insider)などで報じられている。 2024年、ソーシャルメディアユーザーは投稿に対して公の場でコメントせず、その投稿を友人たちに送り、個人的に議論する傾向が強まるかもしれない。閉鎖的なプライベートに近いコミュニティであることを考えると、こうした変化を正確に数値化することはできない。しかし、オーディエンスインサイト企業GWIの調査によれば、人々がソーシャルに費やす時間は上限に達しており、1日当たりの時間は世界的に減少している。 ただし、米国だけは、2022年第1四半期の1日当たり2時間12分から2023年第1四半期は2時間13分に微増している。一方、スタティスタ(Statista)によれば、ワッツアップ(WhatsApp)のモバイルユーザー数は増加の一途をたどっており、全世界の月間アクティブユーザー数は2022年2月に20億人、2023年6月には27億8000万人に達したという。