コーヒーを飲んで良質な睡眠? ネスレ日本とフランスベッドが異色のコラボ
コーヒーと睡眠の確保。一見、矛盾するようなテーマだが、それを両立させる試みが東京・原宿でネスレ日本(神戸市)とフランスベッド(東京・新宿区)がコラボした共同企画「ネスカフェ×フランスベッド 睡眠カフェ」で展開されている。入眠前にカフェインレスコーヒーを飲み、その後、良質な睡眠をとって、起床時にはカフェイン入りコーヒーで快適に目覚める。そんなイメージの企画である。
背景にカフェインレスコーヒーの需要増
ネスレ日本とフランスベッドという異色のコラボの背景には、近年のカフェインレスコーヒーの需要増がある。これまでは夜に良く眠れなくなるという理由で夕方以降にコーヒーを飲むことを敬遠する人も多かったが、夕食後などにゆっくりコーヒータイムを楽しみたいという人は多い。そこで夜はカフェインレスコーヒーを飲み、朝や昼間はカフェイン入りのコーヒーを味わうという「飲み分け」をする人も増えている。 カフェインレスコーヒーの需要は堅調に伸びており、2016年の市場規模は約50億円と2012年の約2倍に成長している。カフェインレスコーヒーはもともと、妊産婦や授乳期のお母さんなどの消費が多かったが、最近は若い女性やシニア層などの消費も着実に増えている。ネスレ日本も粉末コーヒーやペットボトル入りのコーヒーなど市場に提供する商品の数も増えている。
日本人の5人に1人が睡眠で休養が十分とれていない
東京・原宿の「ネスカフェ 原宿」で開かれているイベントでは、来店した客が最長で2時間、店内にあるフランスベッドの最新の電動リクライニングベッドで睡眠を取ることができる。フードメニューを1品以上を注文すると、睡眠前には「ネスカフェゴールドブレンドカフェインレス」が1杯無料で提供される。 店内ではリラックス用にスマホで色や明るさを好みに応じて調整できるフィリップス製の照明や、ソニーのハイレゾ対応ウォークマン、ヘッドフォンなどが使える。さらに起床後にはカフェイン入りの「ネスカフェ ゴールドブレンド」が1杯無料で提供される。会場にはベッド6台、マットレス4台が用意され、暗く落ち着いた雰囲気の中で2時間で良質の睡眠体験ができる仕掛けが施されている。 日本人の睡眠平均時間は世界各国と比べても少なく、経済協力開発機構(OECD)の2014年の調査では28か国中27位という水準だった。また、日本人の5人に1人が睡眠で休養が十分とれていないというデータ(2014年の厚生労働省調査)もあり、日本人の睡眠不足は社会的な課題であるともいえる。 折しも3月18日は世界睡眠医療学会が制定したWorld Sleep Day(世界睡眠の日)で、前後一週間が睡眠健康週間とされている。これを機会に良い睡眠についてじっくり考えてみるのも悪くない。 「ネスカフェ×フランスベッド 睡眠カフェ」は26日まで。カフェの所在地は東京都渋谷区神宮前1の22の8。 (3Nアソシエイツ)