中止を撤回した千葉ロッテの交流戦挑発ポスターがむちゃくちゃ面白い
なかなかやってくれる。 ぱっと見は普通のポスター。 「交流」と書いてあるように読める。 今年は、ロッテ名物の挑発ポスターはやらないーーの情報も乱れとんでいた。 やっぱりやらないのかーーと思わせておいて、さかさまから見たら、「挑発」と読める、おいおい挑発しているじゃないか。一種のトリック絵だ。 千葉ロッテは28日、マリーンズ名物となっている交流戦限定の挑発型のポスターを発表した。昨年に引き続き10度目(05年~08年、13年~17年)となるが、今回は、騙し絵バージョンだ。 「面白いでしょ。他球団の広報担当も最初はだまされていましたよ」 この日の交流戦の会見で、広報・メディア室の梶原紀章氏が他球団の関係者に見せたところ「今年は普通のポスターにしたんですね」という反応だった。だが、逆さにしてみると、挑発文字に見える仕掛けをバラすと、一様に、ぎょっと驚き、笑いと感心の声が漏れたという。 実は、今年は交流戦ポスターの中止が検討されていた。 2005年から始まったメジャー流の挑発ポスターを4年やって「マンネリ化」を理由に一度、中止になった。4年間様子を見て2013年に再開。2016年は、アニメ動画を使ったガンダム、エヴァンゲリオンもどきのロボット「非交流戦士マジワラン」が暴れまくるバージョンが大好評を博し、昨年は、4コマ漫画バージョンで攻めたが、やはりネタが切れた。 担当責任者の梶原氏が言う。 「例年どおり2月から企画をスタートしました。様々な提案をいただき自分もアイデアを練ったのですが、却下、却下で決まらないうちに時間が過ぎていったんです。無理につまんないものを作るより、一度、中止にして、またどこかで再開することも考えました」 だが、4月下旬に会議で出されたアイデアが面白かった。 最初に「交流」をさかさにしたら「挑発」と読めるバージョンのパイロット版が提出されたが、梶原氏は、「これならいける!」と直感で感じたという。 「アンビグラム」と呼ばれるグラフィックデザインの手法で、異なる方向から読むと本来と違う意味を持つようにデザインされた文字や文章を「アンビグラム」と呼ぶ。逆から読むと別の文字になるものは、その「アンビグラム」の代表的なもので一種のトリック・グラフィックだ。 実は、今年の1月に、この「アンビグラム」が、ボートレースの「G1全日本王者決定戦」のポスターに採用され、「面白い」「素晴らしい」と話題になった。パクリといえばパクリだが、「これをヒントにさせてもらいました」と、梶原氏も隠さない。 一度は、交流戦ポスターの中止情報が流れ、ファンの間でも「楽しみにしていたのに残念」「見たかった」などの声が強かっただけに「今年はやんないよ」と見せかけておいて「実は挑発しています」という隠し絵は、そういう流れにもピタリとはまった。 だが、アンビグラムデザインの研究活動をしている「アンビグラム研究室」の協力を得て製作に乗りだしたが、いざ漢字2文字で、さかさまにして挑発を表すとなると、その作業は困難をきわめた。 「2文字では選択肢が限られてきて6試合分を作るのに大変苦労しました」(梶原氏)