中止を撤回した千葉ロッテの交流戦挑発ポスターがむちゃくちゃ面白い
ちなみに各球団のパターンと、そのコンセプトは以下の通りになっている。 【巨人】無敵(戦力)→得意(ですから) 「巨大戦力を持つ巨人を謳った内容。逆にすると得意(ですから)。2015年にマリンスタジアムで行われた交流戦はロッテの3連勝。14年も2連勝。13年も2連勝するなど交流戦での対巨人戦は通算で17勝5敗3分けと圧倒的に得意としていることを表現」
【ヤクルト】(燕)飛来→苦労(が止まらない) 「スワローズ(燕)が飛んでくるけどロッテ相手だと苦労が止まらない」
【広島】赤神(降臨)→嫉妬(しちゃう) 「カープといえば赤。赤神のような強さと謳う。一方で逆にすると嫉妬(しちゃう)。カープ女子が話題になっていることからロッテとしての嫉妬心を表現」
【中日】怪物(現る)→歓迎(ムード) 「中日の話題は松坂大輔。怪物現ると謳いながら逆にすると歓迎ムード。オープン戦で打ち崩したこともあり、ぜひ投げて欲しい。松坂を再び打ち崩せば話題になる」
【阪神】六甲(熱唱)→334(の虎ウマ) 「阪神と言えば六甲おろし。でも文字を逆にすると数字の334。これは05年にロッテが阪神との日本シリーズで奪った総スコアを表す。ロッテは4試合で33得点、一方阪神は4試合で4得点で、ロッテの4勝0敗に終わっている」
【横浜DeNA】浜星(輝く)→雲泥(の差) 「(横)浜の星(ベイスターズ)が輝くと謳っている。ただ逆にすると「雲泥」(の差)。雲泥の差で勝利するというメッセージでもあると同時に昨年、甲子園で行われた阪神対横浜のクライマックスシリーズを大雨の中、沼のようなグラウンド状態で戦ったことも示唆」
特に、こだわったのは中日のバージョン、話題の松坂大輔を題材にしたいが、直接的なバッシングは品がない。そこで「怪物」を「歓迎」と読ませる皮肉で表現した。会心の出来だ。 ポスターは正常バージョンと逆さバージョンの2枚ずつをセットにして29日より交流戦期間中、球場内外、グッズショップ、県内の商業施設、市内の公共施設などに合わせて約7000枚張り出される。 試合前には、ビジョンに、まず普通のバージョンを写した後に、そのポスターをぐるっと180度回転させて、逆さバージョンを紹介するという。 昨年は、交流戦前に自力優勝も消滅してのダントツ最下位で交流戦の挑発ポスターに対して「挑発なんかしている場合か」の批判がファンの間から出て賛否を呼んだ。だが、今年はリーグ5位ながら借金「3」で交流戦を迎えていて、チームはパが有利とされる交流戦で一気に借金返済を計画している。交流戦は今年で導入14年目となるが、ロッテは2005、2006年と連覇するなど交流戦を得意中の得意だ。 井口監督は、現役時代にオリックスでプレーしていたイチローを「隠し球」でアウトにしたことがあったが、今回のトリック・グラフィックを使った交流戦ポスターは、機動力をふんだんに使い「何をするかわからない」という井口野球を示唆しているのかもしれない。