VAIO、14.0型で1kgを切る新モデル「VAIO SX14-R」、長時間バッテリーや人目をひくグリーンの新色も注目!
グリーン、一見派手そうですが、落ち着いていていいです! 【もっと写真を見る】
VAIOは10月31日、VAIOシリーズではハイエンドとなる「VAIO SX14-R」を発売した。仕様/デザインなど製品内容はほぼ同じで、法人向けに提供する「VAIO Pro PK-R」も用意している。 在宅勤務の社員に会社が提供できるファシリティ Rはレボリューションの略だという。既存のVAIO SX14シリーズの上を行くモデルとして展開する。スペック構成によっても異なるが、14.0型の画面サイズながら900g台というモデルも用意している。これは従来のVAIO SX14より性能がアップし、100g程度も軽い数値だ。 「カシコイ、カッコイイ、ホンモノ」というVAIOのコンセプトを推し進め、生産性だけでなく、モチベーションが上がり、信頼できる作りにもこだわった。 クオリティと使い勝手の両立は特に重視している。働く気持ちを高める道具であること(従業員の気持ちという点で、法人でも評価)や高い信頼性(日本のものづくり)、設計チームまで含めたきめ細かいサポートなどをアピールしていく考えだ。 VAIOはソニーから独立して、今年10年を迎えた。直近ではコロナ禍の中盤以降、重視している法人向けPCの販売で、出荷台数を大きく増やしているという。急拡大の要因は企業の意識変化。在宅勤務が増える中、働く環境の中心となるパソコンにこそ投資する意欲が増えており、気持ちよく働けるPCに投資する企業が増えている。 カラーバリエーションの豊富さもこうしたニーズに応えるための試みだ。標準モデルでは新色のディープエメラルドを含む4色を用意している。樹脂とカーボン素材の一体成型(CFRTP:Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics)を天面と底面に採用することで、コーナー部の流麗な曲線を実現。さらに、部分的に厚さを変えて天板の強度を補強し、熱拡散性の高い繊維を採用することで底面からの発熱を抑制できているという。 VAIO SX14-Rでは全体のクオリティーや信頼性を一歩進めるため、試作フェーズを4回(従来より1回多い)とした。この取り組みには手応えを感じており、品質の引き上げに大きく貢献したという。カラーの完成度の高さ、カラーバリエーション、新しい働き方を支えるソリューションなどを含む、トータルの出来栄えが良く、長く使って初めて実感できる商品の品質の改善に取り組んでいくそうだ。 一方で、CPUはひとつ前の世代のCore Ultra(Meteor Lake)となるが、プロセッサーの発売に合わせた製品化も検討していきたいとする。 シン・モバイルワークを実現できるVAIO SX14-R VAIO SX14-Rをひとことで表現するなら「生産性も働く気持ちも高められるPC」だ。 モバイルなので軽作業(簡単な作業)ができればいいと妥協することなく、集中作業(デスク作業)、ウェブ会議やリアルとオンライン双方で人が参加するハイブリッド会議、コワークなど、さまざまなシーンで本格的に使えるノートPCとして企画されている。その阻害要因となる、PC画面の小ささ、(周囲の騒音を拾う)音の問題にも取り組んだ。 軽量な本体はポイントのひとつだが、メインマシンとしても遜色ない画面サイズと両立している点が重要となる。 VAIO SX14-RとVAIO Pro PK-Rは、14.0型ワイド(アスペクト比16:10)の液晶ディスプレーを採用したモデルでありながら、ついに1kgを切る構成も選べるようになった。これは既存のVAIO SX14よりも100gほど軽い。 これまでも12.5型ワイドの「VAIO SX12」はこれまでも1kgを切っていたが、より画面サイズが大きい。もちろん堅牢性にも配慮。通常のモバイルノートPCやMIL規格に合わせた試験を実施しているほか、新しい基準のテストも始めている。作業がしやすい14.0型で、軽く丈夫なモバイルPCが出たことは歓迎したいポイントと言える。 バッテリー駆動時間は標準バッテリー搭載時で約10.1時間(動画再生時)/約26~27時間(アイドル時)。さらに容量が37%多い大容量バッテリーも選択でき、その場合は最大約16.0時間(動画再生時)/約38時間(アイドル時)に増える。軽い本体で長時間駆動できる優れたバッテリーウェイトレシオも特徴だ。 定時間画面を見ないと自動で輝度が下がる「ノールック節電」、システムの電力消費を最適に制御するVAIO独自のチューニング、sらに充電時のバッテリー劣化を抑える対策に加え、90%または80%までの充電に抑えることでバッテリーの劣化を抑える「いたわり充電モード」も装備している。 会議のしやすさにもこだわったPC ここ数年VAIOが力を入れているオンライン会議機能にも注目。 「伝わるオンライン会議」として、カメラ部に加えて本体の側面にもマイクを搭載、合計3つのマイクで画面の前にいる人の声と、対面など周囲にいる人の声を認識。これにAIノイズキャンセル処理を施すことで、周囲のノイズは拾わず、画面の前にいる人の声だけを適切に届けられるようになっている。 最近ではハイブリッド型の会議として、会議室に集まっている人とは別に、オンラインからも人が参加するケースが増えている。結果としてパソコンのスピーカーから出る音を広い会議室内で聞きたい、パソコンの前にいない人の声も届けたいといったニーズが高まっている。 そこでVAIO SX-Rでは、会議の参加人数や利用しているシチュエーションに合わせて、便利なマイク/カメラ設定を組み合わせた4つのモードを用意している。 具体的には、マイクの集音範囲を左右約20%程度と狭くし、自動フレーミングでカメラの画角もかなり狭めに最適化する「プライバシーモード」、マイクの収音範囲を左右45度程度にする「プライベートモード」、6~8名ほど入る会議室でパソコンから離れた場所に人がいる場合でも音量の自動調節や反射を抑えることで声を聞きやすくする「会議室モード」、360度の声を収音しつつ音声以外の雑音を低減する「標準モード」だ。なお、プライバシーモードとプライベートモードでは、事前に設定したバーチャル背景の自動適用もできる。 会話設定は、ワンタッチで最適な設定変更ができるショートカットキーや専用のUIも用意している。さらにカフェなどで会議に参加する際、小声で話しても相手に内容が伝わる「小声モード」や反響の抑制、スピーカーボックスの容量をあげて低音を改善、ここ最近のVAIOの中では「最もいい音になった」とするスピーカーも特徴のひとつだ。 カメラは9.2Mピクセルで、Windows Helloに対応。画質面ではHDR明るさ補正のほか、4画素を1つにまとめることで感度を高められるピクセルビニング(画素混合)で写りをアップ。 さらにちょっと席を外す際にワンクリックで画面をフリーズさせ、周囲から離席したと気づかれないようにする機能や、カメラのフレーミングを顔周辺のかなり狭い範囲のみに限定できる「プライバシーフレーミング」など、小技の聞いた機能も装備。また、物理的なカメラシャッターに加えて、デジタル処理でカメラ映像をブラックアウトする機能なども持っている。 カラーバリエーションは新色のディープエメラルドのほか、アーバンブロンズ、ファインブラック、ブライトシルバーの4色展開。さらにCore Ultra 7 155H搭載の上位モデルではVAIO SX14-R|ALL BLACK EDITIONや勝色特別仕様も用意している。 VAIO SX14-Rの主な仕様 CPUとメモリーはオンボード型のため購入時にセットで選択。Core Ultra 7 155Hの場合は16GB/32GB/64GBのいずれか、Core Ultra 5 125Hでは16GB/32GBが選べる。後から増設できないので注意が必要だ。独自開発したVAIO TruePerformanceや高い廃熱設計によって性能を底上げ。タッチパネル搭載モデル含め、全てがインテルEVO準拠のモデルになる見込みだ。 SSDは256GB、512GB、1TB、2TBが選べ、512GB以上はPCIe 4.0/NVME対応のハイスピードタイプとなっている。ディスプレーは標準的な1920×1200ドット(WUXG、アンチグレア)のパネルのほか、2560×1600ドットのタッチパネル(アンチグレア)を選択可能。Wi-Fi 7に対応するほか、5G、4GのWWAN(モバイル通信)機能も利用できる。Windows Helloは顔認証に加え、指紋認証も利用できる。 バッテリーは標準バッテリーのほか、大容量バッテリーが選べる。キーボードは日本語配列でカナ文字の刻印の有無に加えて、英語配列も用意。さらに上位のSX14-R|ALL BLACK EDITIONや勝色特別仕様ではキートップの文字が目立たない「隠し刻印」も用意されている。 本体サイズは約312.0(W)×226.4(D)×13.9~18.9(H)mm。ACアダプターも新開発で、コンパクトかつプラグ収納式とすることで、カバンに入れているほかのものを傷つけないなどユーザビリティーがアップしている。 価格はオープンプライスだが、VAIOストアの参考価格は最小構成時で25万9800円、ALL BLACK EDITION、勝色特別仕様の場合で29万9800円。店頭販売モデルには複数の構成があるが、実売価格は概ね20万円台後半から30万円台前半になる見込みだ。 文● HK 編集●ASCII