バークレイズ、業績回復に投資銀行部門が苦戦-CEO
(ブルームバーグ): 英銀バークレイズのC・S・ベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)は向こう数年で収益を改善させる全社的な取り組みに関して、投資銀行部門はトレーディング部門の後塵を拝していると指摘した。
バークレイズはリスク加重資産に対する収入の比率を示す利益率指標の引き上げに努めている。トレーディング部門は必要とする資本が大きいものの、この数字をほぼ安定させることができているのに対し、増資や債券発行、M&A(企業の合併・買収)の助言を企業に行う投資銀行部門はM&Aや資本市場活動の枯渇で苦戦している。
ベンカタクリシュナンCEOはモルガン・スタンレー主催の投資家会合で、「目標達成に向かう道のりにおいて、2部門はやや異なった段階にいる」と発言。「マーケッツ事業は強力で、債券を中心に顧客に深く食い込んでいる」一方、「バンキングは1段階遅れている。相対的にやや厳しい」と語った。
バークレイズの投資銀行部門は長らく、助言サービスや株式資本市場などよりも資本集約的な債券引き受けに軸足を置いてきたと、同CEOは説明。このバランスの再調整こそ、利益率向上を図る上でCEOが変えようとしている部分だ。
「ROE(自己資本利益率)の効率化に必要な部分は投資銀行部門の収入だ。当行は米銀よりもはるかに債券資本市場の比重が大きいが、そこをより効率化していく必要がある」と述べた。
バークレイズは数週間前、昨年に9%の有形自己資本利益率(ROTE)を達成したと明らかにし、この数字を26年には12%以上にすることを目指すと発表。この目標達成に向け、大型のコスト削減と組織再編を進める意向を示した。一方、向こう数年間で100億ポンド(約1兆9000億円)以上の株主還元を実施するという。
原題:Barclays Dealmakers Have the Harder Job in Turnaround, CEO Says(抜粋)
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Jan-Henrik Foerster