人気のあまり50台限定で市販化! BMW「スカイトップ」は「Z8」だけでなく「GINA」のオマージュ!?…いろんなBMWのデザインが見えてきます
インテリアのデザインにZ8感はとくになし
赤褐色のルーフはエクステリアの塗装に流れ込み、そのクロームシャドウ効果によって印象的な視覚的インパクトを与えている。この精巧なカラーグラデーションは、熟練の塗装職人によって手作業で施された。 フロントシート後方にはレザー仕上げのロールオーバー・バーを配置し、Bピラーのサイドフィンと開閉式リアウインドウと組み合わせる。取り外し可能なレザー製のルーフは、ラゲッジスペースの専用コンパートメントへ収納が可能だ。 インテリアもまた、心地よいラグジュアリーと類まれなエレガンスを醸し出す。ブローギング・スタイルの装飾がアクセントを添えるレザーシートは、ルーフに使用されている赤褐色を採用する。コクピットに華麗に埋め込まれたクリスタル・アプリケーションも、車内のエレガントな雰囲気に貢献する。
AMWノミカタ
キドニーグリルが巨大化していた昨今のBMWのデザインはちょっと……という人も、スカイトップにはどこか既視感があり、素直にカッコいいと納得させられたのではないだろうか。フロントマスク──特にヘッドライトやグリルの雰囲気、ボディサイドのキャラクターラインなど、2008年に発表された「GINA Concept」との共通性が強く感じられる。そうした目で見ると、Z4とのつながりも見えてきそうだ。 そもそもスカイトップは507やZ8へのオマージュであるとアナウンスされているが、2台のようにフルオープンではなく、Zシリーズのすべてがそうであったようにロングノーズ・ショートデッキスタイルでもない。シートは車体のほぼ中央に配置されている。 またインテリアを見ると、ステアリングやセンターコンソール、メーターパネルなど、スカイトップ特有のデザインは感じられず、むしろドライバーオリエンテッドにまとめられている点など、BMWのオーソドックスなデザインを踏襲している。それも80年代のBMWに通じるシンプルな構成である。あえてクラシカルなデザインを現代風にまとめ、当時のラインアップとはまったく共通性を見いだせなかったZ8のインテリアとは真逆である。スカイトップのインテリアからは、歴代、そして同時代のBMWのDNAがそこかしこに感じられて仕方がないのである。 極めつけは、ロールオーバー・バーがそのままトンネルバックスタイルのようにデザインされており、CピラーのないBMWのオープンカーには不可能だったホフマイスターキンクをオープン時でも感じることができる点だ。このフライングバットレス部の鋭角なラインは、「M1」にも通じていることがわかる。 こうして見てくると、スカイトップはBMWのデザインの原点に立ち返り、デザイン言語を再確認するためのクルマだったのではとさえ思えてくる。さらに、スカイトップはV8をフロントに搭載しているはずだが、プロポーション的にはリアに搭載されているようにも見えなくもない(かつてのプジョーRCZもそうだった)。ここでM1のようなミッドシップの再来を期待するというのは、すこし早計すぎるだろうか。
AMW
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